今回は”アライアンス”のレアカードたちを紹介!

前回に引き続き、アライアンスのカードの紹介を続けよう。今回はレアカードの紹介だ。当然、今回も強力カードが目白押しだから、うきうきしているよ。


まずはアーティファクトから!

Helm of Obedience"Helm of Obedience"
  (4)
アーティファクト
(X),(T):対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを、この方法でクリーチャー・カードかカードがX枚置かれるかするまで自分の墓地に置く。この方法によりクリーチャー・カードが墓地に置かれた場合、Helm of Obedienceを生け贄に捧げるとともにそのカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。Xは0にできない。

「当時のアライアンストップレアは?」という質問は、かなりの難問といえるね。その中でも候補の一つとしてはこの"Helm of Obedience"が挙げられる。主にパーミッションデッキで使われた1枚で、相手のターン終了時に起動することでクリーチャー確保の役割を担ってくれた。その一方、クリーチャーレスデッキに対しては強烈なライブラリー破壊カードとしての働きをしたという、2つの活躍をした面白いカードだね。


Soldevi Digger"Soldevi Digger"
(2)
アーティファクト
(2):あなたの墓地の一番上のカードを1枚、あなたのライブラリーの一番下に置く。

前回紹介した"Brows"と一緒に活躍したのがこの"Soldevi Digger"だ。ゲームが進むにつれ必要なカードだけが詰まった高機能なライブラリーが完成していく。このタイプのデッキはブロウズディガーと呼ばれ、パーミッションデッキのの一つとして認知されていた。"Soldevi Digger"が除去されない限りはライブラリーアウトで負けないからね。"石臼"や前述の"Helm of Obedience"と一緒に使われていたよ。


Storm Cauldron"嵐の大釜/Storm Cauldron"
(5)
アーティファクト
各プレイヤーは、それぞれの自分のターンの間にさらに1枚の土地をプレイしてもよい。
土地がマナを引き出す目的でタップされるたび、それをオーナーの手札に戻す。

パッと見では重い上に使いづらそうな能力、といった印象だが、コイツには1ターンキルデッキを生んでしまったというとんでもない過去がある。自身ではなくタイプ1環境に存在した"Fastbond"というカードを1枚制限にしてしまった。無限マナから"生命吸収"を打つデッキなのだが、幸いスタンダードでは"Fastbond"相当のカードが不在のため猛威を振るうことはなかったね。


Lodestone Bauble"Lodestone Bauble"
(0)
アーティファクト
(1),(T),Lodestone Baubleを生け贄に捧げる:プレイヤー1人の墓地にある基本土地カードを最大4枚まで対象とし、それらをそのプレイヤーのライブラリーの一番上に望む順番で置く。そのプレイヤーは、次のターンのアップキープの開始時にカードを1枚引く。

デッキを選ばず土地破壊デッキへのサイドボードとして活躍したのが"Lodestone Bauble"だ。土地が墓地になくてもデッキ圧縮効果があるため、メタゲーム次第ではメイン投入もあり得た。アライアンスで登場した"Pillage"の入った土地破壊デッキはもとより、"ハルマゲドン"後のリカバリーにもひと役買っていた。


高アドバンテージの土地たちも強力!

Thawing Glaciers"Thawing Glaciers"
土地
Thawing Glaciersはタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、そのカードをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。次のクリンナップ・ステップの開始時に、Thawing Glaciersをオーナーの手札に戻す。

当時のアライアンストップレアの一角、土地サーチ能力を持った土地である"Thawing Glaciers"は、第4版が落ちてからのスタンダードで猛威を振るった。多色デッキ向きの能力ともいえるが、遅いデッキであればアドバンテージを稼ぎやすいので、多色デッキでなくても投入されていたね。長期戦ではデッキ圧縮効果も高く、直接的でないアドバンテージを教えてくれる良いカードでもあったんだ。


Kjeldoran Outpost"Kjeldoran Outpost"
土地
Kjeldoran Outpostが戦場に出る場合、代わりに平地を1つ生け贄に捧げる。そうした場合、Kjeldoran Outpostを戦場に出す。そうしなかった場合、それをオーナーの墓地に置く。
(T):あなたのマナ・プールに(白)を加える。
(1)(白),(T):白の1/1の兵士クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

第4版がスタンダードを去り"露天鉱床"がなくなった時、このカードは時代の寵児となった。スタンダードのどんな大会でも必ずカウンター・ポストは成果を出していた。パーミッションコントロールという言葉を体現したかのような見事なそのデッキは、勝利手段は"Kjeldoran Outpost"またはナチュラルなライブラリーアウトだけだった。"Thawing Glaciers""Force of Will"と一緒にアライアンス全盛期を彩った1枚だよ。


Lake of the Dead"Lake of the Dead"
土地
Lake of the Deadが戦場に出る場合、代わりに沼を1つ生け贄に捧げる。そうした場合、Lake of the Deadを戦場に出す。そうしなかった場合、それをオーナーの墓地に置く。
(T):あなたのマナ・プールに(黒)を加える。
(T),沼を1つ生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに(黒)(黒)(黒)(黒)を加える。

"ネクロポーテンス"を支えた屋台骨の一つがこの"Lake of the Dead"だ。"暗黒の儀式"だけでは我慢できなかったのか、土地にまで高速化エンジンを搭載した格好だ。まったく、黒らしいワガママなやり口だね。沼1枚から計5マナも出てしまうというとんでもない爆発力は、"生命吸収"の火力アップから"ストロームガルドの騎士"のパンプアップまで幅広く活躍した。


有色カードもコントロール寄りのカードが強い!
Krovikan Horror"Krovikan Horror"
(3)(黒)
クリーチャー ホラー スピリット
終了ステップの開始時に、Krovikan Horrorがあなたの墓地にあり、そのすぐ上にクリーチャー・カードがある場合、あなたはKrovikan Horrorをあなたの手札に戻してもよい。
(1),クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。Krovikan Horrorはそれに1点のダメージを与える。
2/2

再利用可能なクリーチャーであるだけでも優秀だが、コイツはさらにクリーチャー除去としての効果も期待できる強力なレアクリーチャーだ。正直言ってこの頃のレアクリーチャーはイマイチな連中が多かったのだが、コイツはレアらしい強さを持っていたね。アイスエイジ"Ashen Ghoul"や第4版の"冥界の影"と一緒に活躍した姿が懐かしいものさ。


Dystopia"Dystopia"
(1)(黒)(黒)
エンチャント
累加アップキープ ― 1点のライフを支払う。
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは緑か白のパーマネントを1つ生け贄に捧げる。

アライアンスには敵対色対策のレアが各色に1枚ずつあったが、実践で大きな成果を上げたのはこの"Dystopia"だった。3マナと軽い上に、維持コストがライフだけというのも優秀だ。累積アップキープとはいえ、状況によっては3対1以上もあり得た優秀なカードだ。いまだにヴィンテージなどで見かけられる、息の長いカードだね。


Diminishing Returns"先細りの収益/Diminishing Returns"
(2)(青)(青)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。あなたはあなたのライブラリーのカードを上から10枚、追放する。その後各プレイヤーはカードを最大7枚まで引く。

正直言って、アライアンスの青いレアはスタンダードでは活躍できなかった。まあ、青には"Force of Will"というとんでもないアンコモンがいるから仕方なし、といったところか。そんな中このカードは、第6版再録時にMoMaデッキの最終形態で採用されていたね。


Exile"流刑/Exile"
(2)(白)
インスタント
白でない攻撃しているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。あなたは、そのタフネスに等しい点数のライフを得る。

トーナメントでよく見られた白いレアといえば、やはり"Exile"だろう。白クリーチャーには効かないものの、それでも"Phirexan Warbeast"がよく見られたものだから、1~2枚はメイン投入もされていたんだ。もちろんお得意様は"アーナム・ジン"や、前述の"バルデュヴィアの大軍"だったね。


数少ないビートダウン系の強力カードたち!

Kaysa"Kaysa"
(3)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー エルフ ドルイド
あなたがコントロールする緑のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
2/3

"Kaysa"待望の緑クリーチャー全体強化能力を持ったレアクリーチャーだ。緑はクリーチャー中心デッキになりやすいので意外なのだが、こうした能力は緑では初めてだったんだ。コストが重い上に、"十字軍"などとは違い自身がクリーチャーなので除去されやすい、伝説のクリーチャーであるという数々の問題があったがね。大人気絵師Rebecca Guayのイラストの良さも相まって、緑好きはデッキにお守りとして1枚入れている人もいたね。


balduvian Hords"Balduvian Hords"
(2)(赤)(赤)
クリーチャー 人間 バーバリアン
バルデュヴィアの大軍が戦場に出たとき、あなたがカードを1枚無作為に選んで捨てないかぎり、バルデュヴィアの大軍を生け贄に捧げる。
5/5

かなり意外に思うかもしれないが、このシンプルなクリーチャーもアライアンスのトップレアだ。当時のスタンダードを席巻していた”アーナム・ジン””セラの天使”でも止められないこのサイズは魅力的で、それが4マナというコストで現れたのだから、大人気となったんだ。苦手なバウンスは当時使われていなかったが、"Kjeldoran Outpost"の兵士トークンには手こずっていたね。


と、アライアンスの紹介はこんなところだ。とにかく、アライアンスのカード水準は当時としては異例で、あっという間に店頭から姿を消し、スタンダードリーガルの時期でもパックが定価で買えないという有り様だったんだよ。そのせいか・・・また次のミラージュではレアの強さが少し落ち着いたところがあってだねえ。まあ、その辺りはまた今度ゆっくり話すとしようか。