ハルシオンのMTGブログ

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第4版の頃のトレード事情

部屋を整理していたら懐かしい日記が出てきたよ。そこには第4版が出て間もないころ、ある大会でトレードをした記録が書かれていたんだ。あの頃は日本語版がない上に、インターネットでの情報収集もできなかったからね。レアリティさえ分からない混沌とした状況の中で、本当に自分が使いたいカードをトレードする、というある意味正しいトレード環境だった。この日記を頼りに当時の記憶を呼び覚まして紹介しよう。今回登場する第4版のカードについては、一部以前話題に出ていた覚えがあるから、思い出しながら聞いてほしい。


初参加の大会にて

その日、私はマジックの大会に初参加し、友人以外とトレードするのは初めてだった。その頃私はメインの赤緑デッキと、サブの青黒デッキを使っていた。もっとも、デッキのアーキタイプという概念さえなく、適当に強そうなカードや使ってみたいカードを突っ込んだだけの、今から思えば紙の束だ。私が試合開始前に会場でカード整理をしていた時、一人の見知らぬ男が近づいてきてこう言った。「良かったら君のカードを見せてくれないか?カードを交換しよう」

デッキを強化するためには新しいカードが必要だと考えていた私は、戸惑いながらもその申し出を受け入れた。カードファイルも持っていなかったため、その若い男は私のカードボックスのカードを端から見だした。一方で私は男のカードファイルを見る。初めて見るカードが多くてね、ワクワクしたものさ。当時の私は知らないカードのイラストを見るだけでも新鮮で楽しい、といった純真無垢な少年だったんだ。

私が物珍しげに彼のカードを眺めている間に、その男は私の数百枚のカードをあっという間に見終え、その中から何枚かのカードをピックアップしていた。「俺が欲しいのはこのカード達だ。この中でトレード出来ないものはあるかい?」男はそう言うと、私の前に数枚のカードを並べた。その箱には今デッキに入れていないカードだけが入っていたので、出せないカードはないと答える。彼は満足げに欲しいカードを選んでくれ、と言った。まだ中学生だった私は英語を訳すのも一苦労で、強いクリーチャーが欲しい、とか、面白いカードを使ってみたい、とか曖昧な希望を伝えた。


初トレード、始まる!

ハルマゲドン男「まず俺が欲しいのはこの"Armageddon"だ」
私「ああ、白は使ってないから別にいいよ。それって強いの?
男「自分の土地も壊れてしまうからね。はっきり言って使いにくいカードだね」
私「じゃあなんでそんなカードが欲しいのさ?」
男「友達が黒緑の"Kormus Bell""Living Lands"のデッキを使っているから、その対策にと思ってね」
私「それってどんなデッキなの?スゴイの?
男「ああ。自分の土地を1/1のクリーチャーに変えて殴ってくるという強烈なデッキなんだ。"Kormus Bell"は”沼”を、"Living Lands"は”森”をクリーチャーに変えてしまうというぶっ飛んだレアカードなんだ」
私「そりゃあ、スゴイね!」

Kormus Bell“コーマスの鐘/Kormus Bell”
(4)
アーティファクト
すべての沼(Swamp)は黒の1/1のクリーチャーである。それは土地でもある。




Living Land“生きている大地/Living Lands”
(3)(緑)
エンチャント
すべての森(Forest)は1/1のクリーチャーである。それは土地でもある。




男「ああ。だから俺は”Armageddon”のようなカードが必要なんだよ」
私「なるほど、分かったよ。えっと、代わりに何をもらおうかな・・・」
男「じゃあ、君の赤緑デッキにピッタリな、この"Hurr Jackal"はどうだい?」
私「えー、1マナ1/1かあ。弱そうだな」
男「確かにそうかもしれない。でもコイツは中々役に立つ能力を持っている」
私「どんな能力なの?」
男「君はregenerate(再生)持ちクリーチャーに苦しめられたことはないかい?」
私「ああ、あるある。友達の"Will-o'-the-Wisp(黒1マナ、飛行、再生の0/1。レア)"に、僕の"Craw Wurm(4緑緑、6/4バニラ、コモン)"が止められちゃうんだ。赤緑だとどうにもできないんだよね」
男「そんな時、この"Hurr Jackal"が活躍する。コイツはタップだけで対象クリーチャーの再生を禁止させられる!」
私「おお、スゴイ!」


あのアラビアン・ナイトのカードをもらえた!

Hurr Jackal“Hurr Jackal/ハール・ジャッカル”
(赤)
クリーチャー 猟犬
(T):クリーチャー1体を対象とする。このターン、それは再生できない。
1/1

男「しかもコイツはあのアラビアン・ナイト出身の再録カードなんだ」
私「アラビアン・ナイト?名前は聞いたことあるよ。昔のセットだよね?」
男「そう。あまりにも強力なカードが数多く収録されているため、今では入手困難で1パック買うだけでも1万円以上(当時)もするという、あのアラビアン・ナイトだ」
私「そうなんだ!スゴイ!」
男「"Hurr Jackal"はコモンのレアリティで収録されたのだが、強すぎたせいで第4版ではレアカードとして昇格再録させられた」
私「えぇ!そんなカードをくれるの?」
男「ああ。俺のデッキには他に再生対策があるからね」
私「嬉しい、やった!」


サバンナライオン男「そうか。じゃあこの"Hurr Jackal"は君の物だ!」
私「ありがとう!」
男「次はこの"Savannah Lions"が欲しいんだけど」
私「え、そんな何の能力もないクリーチャー、さっきのおまけにあげるよ!」
男「いやいや、それは悪いから、もう一枚"Hurr Jackal"を付けるよ」
私「え、やった!ありがとう!お兄さんいい人だね!」
男「1枚だけじゃ引けないと困るだろうからね」



緑では珍しいあの能力を持ったカードをゲット!

神の怒り男「さて、次に俺が欲しいのはこの"Wrath of god"だ」
私「あー、それかあ」
男「クリーチャーを全滅させられるカードだけど・・・確か白は使っていないんだよね?」
私「うん。自分のクリーチャーが一緒に死んじゃうなんて、まっぴらだよ」
男「これを使えばクリーチャーになった土地をまるごと始末できるからね。俺には必要なんだ」
私「ああ、確かに"Armageddon"だけだと不安だよね。いいタイミングで引けないと駄目だから」
男「そうなんだ。だからこのカードをトレードしてほしい」
私「いいけど今度は何をもらおうかな」
男「緑のクリーチャーなら、この"Timber Wolves"はどうかな?」
私「また1マナ1/1かあ。しかも能力がBanding(バンド)だけじゃん」
男「ところで、緑のBandingクリーチャーって見たことあるかい?」
私「そういえば初めて見たね。今まで見たのはみんな白かった」
男「そう。なぜだか分かるかい?」

Timber Wolves“森林狼/Timber Wolves”
(緑)
クリーチャー 狼
バンド
1/1

私「うーん、分からないや」
男「緑にBandingは強すぎるから、さ」
私「え、そうなの!?」
男「そう。だからコイツはレアなんだ」
私「そっか。緑のパワフルなクリーチャーがBandingで攻めて来たら、確かに強いもんね!」
男「ああ、そうさ。君の"Craw Wurm"と一緒に攻めてどんなに強い相手にブロックされても、Wurmは死なないね。しかもそれが赤緑デッキで実現できるんだ」
私「分かったよ!"Wrath of God"と交換しよう」
男「ありがとう」
私「これで僕のデッキは強化されたね!」
男「ああ、もちろんさ」


ついに登場!最強クリーチャー!

Nevinyrral's Disk私「ねえ、次は?次は?
男「ははは、そう慌てなくていいよ。次は"Nevinyrral's Disk"が欲しいんだ」
私「確かそれも僕のクリーチャーが死んじゃうんだよね」
男「そう。しかも、エンチャントやアーティファクトも破壊される」
私「あ、分かった!"Kormus Bell""Living Lands"も一緒に壊そうって魂胆だね!」
男「察しがいいなあ。君は将来きっと強いデュエリストになるね」
私「そうかな、えへへ」
男「そんな君に、このカードを紹介しよう」
私「す、スゴイ!10/10だっ!」
男「そう。これが最強クリーチャーの"Leviathan"だ!」

eviathan
“リバイアサン/Leviathan”
(5)(青)(青)(青)(青)
クリーチャー リバイアサン
トランプル
リバイアサンはタップ状態で戦場に出、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、島を2つ生け贄に捧げてもよい。そうした場合、リバイアサンをアンタップする。
リバイアサンは、あなたが島を2つ生け贄に捧げないかぎり、攻撃できない。
10/10

私「Trumpleまで持ってる!凄すぎ!絶対欲しい!
男「サブの青黒デッキがメインになってしまうかもしれないね」
私「うん、そうするよ!」
男「おまけにこのカードも付けよう」
私「なんだか気味の悪い絵だね。これは?」
男「この"Deathlace"があればたった1マナで"Leviathan""Terror(1黒、インスタント、黒でないクリーチャーを破壊。コモン)"から守れるぞ」
私「そうなんだ。やった!

Deathlace“死の色/Deathlace”
(黒)
インスタント
呪文1つかパーマネント1つを対象とする。その色は黒になる。





手ごわいアーティファクト対策も入手!

triskelion十字軍

男「俺はもうこれで十分だが、何かあるかい?」
私「え、もっとトレードしたい!実は青黒デッキのアーティファクト対策が何かないか探してるんだ」
男「ああ、そうか。確かに青黒デッキはアーティファクトが対策しづらいね」
私「そうなんだよ。弟のトリ・・・トリス・・・ええと」
男「ああ、"Triskelion"か。アレは中々強いからね。それならコイツを使うといい」
私「何?この伸びた金貨みたいなカードは?」
男「これは"Warp Artifact"というアーティファクトに着けるエンチャントだ」
私「ふうん、付けるとどうなるの?」
男「アーティファクトの持ち主が、毎アップキープに1点食らう」
私「ダメージを与えられるんだ!破壊するよりスゴイかも!」
男「ああ、そうさ
私「これがあれば"Triskelion"を出させたことを後悔させられる!」
男「うん。じゃあこのマナコストが似ている"Crusade"と交換しようか」
私「そうだね、エンチャント同士でもあるし」
Warp Artifact”Warp Artifact/歪んだ秘宝”
(黒)(黒)
エンチャント オーラ
エンチャント(アーティファクト)
エンチャントされているアーティファクトのコントローラーのアップキープの開始時に、歪んだ秘宝はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。



こうして私は赤緑デッキでの大会参加を急遽変更し、青黒デッキで大会に臨んだ。結果は・・・まあ、推して知るべし、だ。マジックの奥深さ、トレードの世界の厳しさ、カードの強さとは何か・・・。様々なことを学んだ素晴らしい機会だった。今の君たちはネットで最新の情報を簡単に入手できて・・・ちくしょうめ!!!
念のため付け加えておくが、これらのトレードは全てレアカード同士のトレードであり、その点では公正なトレードだったといえるだろう。

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無色のダメージソース!

Ankh of Mishra"ミシュラのアンク"
(2)
アーティファクト
土地が1つ戦場に出るたび、ミシュラのアンクはその土地のコントローラーに2点のダメージを与える。




スーサイドな香りを持ったアーティファクトが"ミシュラのアンク"だね。最序盤に出せれば、土地を置くだけで2ダメージというのはかなり痛い。当然土地破壊デッキに向いるなカードだが、バーンやゴブリンデッキの無色のダメージソースとして使われたり、軽いデッキが対コントロールデッキ用のサイドボードに投入していたこともあり、幅広い実績を持つ優良カードだよ。


Black Vise“黒の万力”
(1)
アーティファクト
黒の万力が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、黒の万力はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、そのプレイヤーの手札のカードの枚数引く4である。



直接盤面に影響を与えられないカードは弱い、というのが一般的な見解だが、それ自体が軽量で優秀な勝利手段であれば話は別だ。"黒の万力"はまさにそういったカードだね。先攻第1ターンに"暗黒の儀式"からこいつが3枚でてきたらどうだね?というわけで、あまりの凶悪さから1枚制限カードに指定されていたわけだ。

TheRack"拷問台"
(1)
アーティファクト
拷問台が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、拷問台はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、3引くそのプレイヤーの手札の枚数である。



“黒の万力”には及ばないものの、”拷問台”は実績のあるカードだ。”Hymn to Tourach””惑乱の死霊”が環境にあったため、手札破壊デッキが一大勢力となっていたからだ。手札破壊さえしていれば勝てる、という状況をたった1マナで実現してくれるこのカードは、強さもさることながらビジュアル面でも人気の一枚だったね。


Ivory Tower"象牙の塔"
(1)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたはX点のライフを得る。Xは、あなたの手札のカードの枚数から4を引いた点数である。




"象牙の塔"はライフ獲得系カードでは珍しい1枚制限カードの一つだ。対になる"黒の万力"はアルファから存在しているが、こちらはアンティキティーで登場した。ちなみに「象牙の塔」という言葉はフランス語の慣用句で、学者や芸術家のような浮世離れした相手を皮肉る言葉だそうだよ。


無色のカードアドバンテージ!

Jayemdae Tome"ジェイムデー秘本"
(4)
アーティファクト
(4),(T):カードを1枚引く。





簡潔なテキストが魅力の"ジェイムディー秘本"はドロー系アーティファクトの先駆けだ。1枚目を引くためには1枚と8マナを使うことになるので、かなり遅いデッキで複数回起動しないと元が取れない。それでも長期的観点でアドバンテージをもたらす効果は評価され、コントロール系デッキで1~2枚投入されることがあったね。


Disrupting Scepter"破裂の王笏"
(3)
アーティファクト
(3),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。この能力は、あなたのターンの間にのみ起動できる。




ドロー系アーティファクトの次は、ディスカード系アーティファクトの"破裂の王錫"を紹介せねばならないね。ドローは4マナ、ディスカードは3マナというのが、得られるアドバンテージの確実性に差がある結果だろう。継続的な手札破壊は相手に手札使用を強制させる効果があると評価できる。この強要にはマナの支払いが不要で強力であることも見逃せない。こちらもコントロール系のデッキで実績を残した良いカードだよ。


Nevinyrral's Disk"ネビニラルの円盤"
(4)
アーティファクト
ネビニラルの円盤はタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):すべてのアーティファクトとすべてのクリーチャーとすべてのエンチャントを破壊する。



第4版のトップレアの一つ、"ネビニラルの円盤"は1枚で場をコントロールできる力を持ったカードだ。"神の怒り"などと異なり、とりあえず戦場に出しておき状況が悪化したら起動、という使い方ができたのが強みだ。初心者のころは何度もこのリセットに助けられたよ。ネクロディスクヨーロピアンブルーのキーカードの一つとして大活躍したカードだね。


無色のデッキコンセプトカード!

Millstone"石臼"
(2)
アーティファクト
(2),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーのカードを上から2枚、自分の墓地に置く。




ライブラリー破壊デッキの基本である"石臼"は、アンティキティーから基本セットに収録されたカードだ。当時も変わらず、青白の防御的なデッキで利用されていた。メタの中心になるまでには至らなかったが、多くのデッキがこのカードを恐れてサイドボードに"フェルドンの杖"を1枚投入していたものさ。


winter orb"冬の宝珠"
(2)
アーティファクト
プレイヤーは自分のアンタップ・ステップに土地を1つだけしかアンタップできない。




白熊のイラストが印象的な"冬の宝珠""停滞"と共にロック系カードの古典だ。ある程度土地が起きたところに叩き込む"ハルマゲドン"はなかなか爽快だったものさ。当時のルールでは「タップ状態の"冬の宝珠"は能力を失う」とされていたため、"氷の干渉器"とのコンボでは一方的に相手の展開を遅らせることができた。プリズンと呼ばれるデッキのメインコンボで、当時私の愛用デッキだった。


ManaVault
”魔力の櫃”
(1)
アーティファクト
魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうした場合、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):あなたのマナ・プールに(3)を加える。


様々なコンボデッキで悪行の限りを尽くしたのがこの"魔力の櫃"だよ。安すぎるコスト、多すぎる供給マナ、小さすぎるデメリットと三拍子揃った困ったヤツだ。第4版時代より第5版時代のMoMaメグリムジャーといったコンボデッキで高速化を担った。普通のデッキに入れても強くて、初心者の頃は赤単で1ターン目にコイツ、2ターン目に"オーグ"を出されて瞬殺された覚えがあるよ。


Howling Mine"吠えたける鉱山"
(2)
アーティファクト
各プレイヤーのドロー・ステップの開始時に、吠えたける鉱山がアンタップ状態である場合、そのプレイヤーは追加のカードを1枚引く。




普通に使うとアドバンテージ負けになってしまう"吠えたける鉱山"は、ターボステイシスにおけるフィニッシャーとして必ず4枚投入されていた。その後もコンボデッキの重要パーツとしていくつかのデッキに投入され結果を残した息の長いカードだ。初心者の頃、手に入れた時嬉しくてね。うっかり自慢の手札破壊デッキに投入したのはいい思い出かな。


トリスケリオン“トリスケリオン”
(6)
アーティファクト クリーチャー 構築物
トリスケリオンはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
トリスケリオンから+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。トリスケリオンは、それに1点のダメージを与える。


第4版の6マナアーティファクト・クリーチャーでは圧倒的な性能を誇る、我が"トリスケリオン"はイラストのコミカルな印象からは想像できないカードパワーを秘めている。普通にファッティとしても使えるし、クリーチャー除去としても期待できる。バウンスやリアニメイトとは特に相性がいい。さらにコンボデッキでフィニッシャーまで勤めるという芸達者ぶりだ。ぎりぎりで禁止カードにはならなかったが、無色ゆえに当時ほとんどのデッキで採用されて・・・すまん、ちょっと話を盛ったかもしれん。


特殊地形は万能選手

Mishra's Factory“ミシュラの工廠 “
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1):ミシュラの工廠はターン終了時まで、2/2の組立作業員アーティファクト・クリーチャーになる。それは土地でもある。
(T):組立作業員クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。



今なおクリーチャー化する土地を「ミシュラランド」呼ぶ由来でもある"ミシュラの工廠"は、基本セットでは第4版にしか収録されていいないカードの中でも特に強い1枚だね。たとえ"神の怒り"を撃たれた後でも、こいつはアタックに行ける。さらにブロック時に強化能力を使えば"白騎士""黒騎士"をも抑えられる。もっとも当時のルールでは「ブロッカーがタップされた場合は戦闘ダメージを与えない」というびっくりルールがあったから、ブロックして倒すには"ミシュラの工廠"が2枚以上必要だったんだ。


Strip Mine“露天鉱床 “
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1),露天鉱床を生け贄に捧げる:土地1つを対象とし、それを破壊する。




"露天鉱床"は、単純なカードパワーでは第4版最高かもしれないね。土地なのでコストもなければ打ち消されることもない。色もないからどんなデッキでも投入可能。土地事故している相手にはこれだけで勝てることもある。パーミッションは島を2枚立てているだけでは"対抗呪文"が撃てないなんて当たり前だった。当然、私がマジックを始めてしばらくすると1枚制限カードとなってしまった。



さて、4回に渡って第4版を紹介したわけだが、いかがだったかね?1枚制限カードが収録された最後のセットであり、加えてアンティに関するカードの収録された最後のセットでもある。また、多色地形を一切含まない基本セットは第4版だけだ。今の基本セットと比べると特にクリーチャーの水準が低い環境だった上、除去は今と互角かそれ以上だったためにとにかくクリーチャーが死にやすい時代だった。そのせいでデュエルが長引くことが多かったんだ。

アイスエイジと同等かそれ以上にレアが寒いことでも有名だ。色を変えるだけの"純白の色"のようなカードがしっかり5枚あったり、到達と+0/+2を与えるオーラがレアだったりとなかなかの酷さを誇っていた。しかしレジェンドとダークからの再録組は優秀なカードもあり、単純にリバイズドの劣化版とは言い切れないところもある。

個人的には最初に出会った基本セットということもあり、特に思い出深いセットだよ。初の日本語版ということで、デュエリストが周囲に増えたというのが嬉しかったね。全体的には今の水準からみると弱いカードが多いが、見方を変えるとレアリティ間のカードパワーの差が小さかったともいえる。カード所持量が少ないデュエリストでもある程度戦いやすかった環境だったかな。私の友人はコモンデッキで小さな大会に出場し、準優勝していた。

当時を知る現役デュエリストも少なくなった。少々バランスは悪いが、古い時代の趣を湛えた魅力的なこの第4版を紹介できて嬉しく思っているよ。興味を持ってくれたなら、ぜひほかのカードも調べてみてほしい。特に青いコモンはひどいカードが多くて、きっと戦慄すること間違いなしだよ・・・。

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前回に引き続き、今回は第4版の青と黒のカードについて紹介していこう。

青といえば打消し

対抗呪文

”対抗呪文/Counterspell”
(青)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。




青いデッキを組む上で唯一4枚必要なカードといえば、"対抗呪文"をおいてほかにないだろう。まさに当時の青の基本であり、環境基準カードの一角だ。「島を置くだけで強い」という言葉はこのカードの存在に由来しているといっていいだろうね。第4版"対抗呪文"がアンコモンで収録された最後のセットとなった。強さはともかく、それだけ青にとって基本的なカードとされたということだね。


魔力消沈"魔力消沈/Power Sink"
(X)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それをそれのコントローラーが(X)を支払わないかぎり、打ち消す。支払わなかった場合、そのプレイヤーは自分がコントロールするマナ能力を持つすべての土地をタップし、自分のマナ・プールを空にする。


"対抗呪文"の次点としての地位を有する打消し呪文として"魔力消沈"を紹介しておこう。当時のルールではこのスペルを唱えた時点で対応できるのは同じ打消し系スペルだけだったので、以降の行動を一切阻害できるという"対抗呪文"にはない強みを持っている優れたカードだった。しかし、第6版のルール改定でスタックルールに統合され、この効果は失われてしまう。ルール改定に翻弄された悲しいカードなんだよ。


青いクリーチャー対策

送還


"送還/Unsummon"
(青)
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。



青のクリーチャー対策の基礎と言えるのが"送還"だ。普通に使ってもその場しのぎにしかならないが、相手の"巨大化"や強化オーラにレスポンスして使うことでテンポとアドバンテージを得られる、実に渋いカードだ。このカードを上手く使いこなせるかどうかが初心者と中級者の境目と言ってもいいだろうね。スタンダードで大活躍したとまではいかなかったが、メタゲーム次第では採用するデッキがあったんだ。


支配魔法

"支配魔法/Control Magic"
(2)(青)(青)
エンチャント オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたは、エンチャントされているクリーチャーをコントロールする。



"支配魔法"は相手のクリーチャーを奪うという実に青らしい一枚だ。効果の程度は相手のデッキに依存してしまうが、相手のクリーチャーを除去した上に自分のクリーチャーが増えるという1対2の交換を約束する高いカードパワーが魅力だ。自分の"セラの天使"に撲殺される経験をしたデュエリストも多く、そうやって彼女の強さを再確認していったものさ。


青のトリッキーさ、ここにあり

臨機応変

"臨機応変/Sleight of Mind"
(青)
インスタント
呪文1つかパーマネント1つを対象とする。それに書かれた、色を表す単語1種類をすべて別の色の単語1種類に置き換える。(例えば、あなたは「黒の呪文1つを対象とし」を「青の呪文1つを対象とし」に変えられる。この効果は永続する)


これまた青らしい、いわゆる書き換えカードの筆頭がこの"臨機応変"だ。私は"白騎士"のプロテクションを書き換えることが多かったが、サイドボード後に登場する色指定カードの対策としても有用だったね。特に赤い打消し呪文である"赤霊破""紅蓮破"を1マナで対策できる点が良かったね。似たカードに土地タイプを書き換える"魔法改竄"があるが、採用率は"臨機応変"のほうが高かったように記憶している。


枯渇

"枯渇/Mana Short"
(2)(青)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールするすべての土地をタップし、そのプレイヤーのマナ・プールを空にする。



コンボデッキなどが青いデッキを相手にするとき、大技を通したければ"枯渇"の出番だ。相手のアップキープに唱えれば、1ターン無力化できることも多い。土地以外のマナ供給源は専門外だがね。青の青対策といえば前述の"魔力消沈"とこの"枯渇"が活躍した時代だったよ。ちょっと分かるような分からないような、印象的なイラストも人気だった。

停滞

"停滞/Stasis"
(1)(青)
エンチャント
プレイヤーは自分のアンタップ・ステップを飛ばす。
あなたのアップキープの開始時に、あなたが(青)を支払わないかぎり、停滞を生け贄に捧げる。


イラストが人気だった青いカードといえば"停滞"の右に出る者はいない。しかし、このカードの真価は不思議なイラストではなく、アンタップを飛ばすというぶっ飛んだ能力にある。まさにルール破壊カードの走りといえるこの能力は様々なコンボデッキを生み出し、対戦相手にマジックをさせない恐るべきカードだった。ターボ・ステイシスというデッキはロックデッキの走りでもある。


青いクリーチャーたち

時の精霊"時の精霊/Time Elemental"
(2)(青)
クリーチャー エレメンタル
時の精霊が攻撃かブロックしたとき、戦闘終了時にそれを生け贄に捧げ、それはあなたに5点のダメージを与える。
(2)(青)(青),(T):エンチャントされていないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
0/2


その"停滞"のお供として活躍したカードの一つが"時の精霊"だ。起動コストが少々重いものの、回り出せば一方的なロック状態を作れる。単体で使ってもなかなかの性能だったこともあり、メインでクリーチャーレスだったデッキがサイドボードから"時の精霊"を投入する、なんて使われ方もしていたね。

マハモティ・ジン

"マハモティ・ジン/Mahamoti Djinn"
(4)(青)(青)
クリーチャー ジン
飛行
5/6



青はクリーチャーが弱い色という位置づけなので、この第4版にもあまり強力なクリーチャーは存在していない。そんな中でもフィニッシャーとして活躍した実績があるのが"マハモティ・ジン"だ。6マナ5/6飛行という性能は地味ながらは決して悪くない。青いデッキのフィニッシャーとして、1マナ安い妹分の"大気の精霊"と勢力を二分していた。"マハモティ・ジン"の驚くべき点は、彼がアラビアン・ナイトからの再録カードではないという点だろう。


黒のコモンはスペルが強い

暗黒の儀式


"暗黒の儀式/Dark Ritual"
(黒)
インスタント
あなたのマナ・プールに(黒)(黒)(黒)を加える。



青の4枚必須カードが"対抗呪文"なら、黒は"暗黒の儀式"になるだろう。序盤の加速を黒の特権としてくれた強力カードであり、また黒いコンボデッキの重要パーツであり続けた。中盤以降であっても"生命吸収"のダメージを2点増やしたり、"ストロームガルドの騎士"のようなパンプアップ・クリーチャーのコンバット・トリックとして利用できた点が素晴らしい。第1ターンに"暗黒の儀式"2枚から"センギアの吸血鬼"を出し、"送還"で戻されるという苦い思い出がよみがえるね。


黒死病"黒死病/Pestilence”
(2)(黒)(黒)
エンチャント
終了ステップの開始時に、クリーチャーが戦場に存在しない場合、黒死病を生け贄に捧げる。
(黒):黒死病は、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ1点のダメージを与える。


コモンとは思えないボードコントロール能力を持った黒いエンチャントが"黒死病"だ。スタンダードでは滅多にお目にかかれなかったものの、対ウィニーデッキでは相当の制圧力を持つ。限定構築ではコモンゆえに何度も出くわすことになり、出されるとこちらのプロテクション(黒)が不利に働いてしまうことが多々あった。

生命吸収"生命吸収/Drain Life"
(X)(1)(黒)
ソーサリー
Xは黒マナでしか支払えない。
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。生命吸収はそれにX点のダメージを与える。あなたは、与えられたダメージに等しい点数のライフを得る。ただし、その点数は生命吸収がダメージを与える前のそのプレイヤーのライフの総量、そのクリーチャーのタフネスの点数、のいずれも上回ってはならない。


黒単デッキの根幹カードの一つである"生命吸収"は、ライフ獲得とダメージを両立する黒らしい一枚だ。特に"ネクロポーテンス"を使ったデッキではコンボと呼んでも差し支えのない動きを見せ、ネクロディスク活躍の一翼を担っていたよ。その他にもプロスブルームと呼ばれるミラージュ期のコンボデッキではフィニッシャーとして活躍した。

恐怖

"恐怖/Terror"
(1)(黒)
インスタント
アーティファクトでも黒でもないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。それは再生できない。



クリーチャー除去を最も得意とする黒の、最も基本的なカードが"恐怖"だ。たった2マナで黒とアーティファクト以外のどんな大きなクリーチャーでも処分できるというのは、特に初心者にとっては強烈な効果だ。頑張って召喚した"マハモティ・ジン"だろうと、たった2マナのコモンカード1枚で対処されてしまうなんて、当時の私には納得のいかない事実だった。


黒のアンコモンはクリーチャーが強い

Sengir Vampire"センギアの吸血鬼/Sengir Vampire"
(3)(黒)(黒)
クリーチャー 吸血鬼
飛行
このターン、センギアの吸血鬼によってダメージを与えられたクリーチャーが死亡するたび、センギアの吸血鬼の上に+1/+1カウンターを1個置く。
4/4


白の"セラの天使"と対になる黒のエースが"センギアの吸血鬼"だね。純粋なクリーチャーとしての性能は"セラの天使"に一歩及ばないが、黒いため"恐怖"が効かない、というのがライバルにないメリットだ。それでもトーナメントでの使用実績はそれほど高くなかったね。というのもこれから紹介する連中が優秀過ぎたんだよ。


黒騎士

"黒騎士/Black Knight"
(黒)(黒)
クリーチャー 人間 騎士
先制攻撃
プロテクション(白)
2/2


"黒騎士"はクリーチャーの弱い黒にあって例外的な強さを誇った小型クリーチャーだ。"白騎士"と比べると、"恐怖"に加え"剣を鋤に"という2つの除去に耐性を持つ点が特に優秀だね。ライバルの"白騎士"とは戦場で対決できないのが残念だったが、実績を残したという点ではどちらも相当なやり手と言っていいだろう。黒では数少ない先制攻撃持ちである点も魅力の一つだね。


惑乱の死霊"惑乱の死霊/Hypnotic Specter"
(1)(黒)(黒)
クリーチャー スペクター
飛行
惑乱の死霊が対戦相手にダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚無作為に選んで捨てる。
2/2


"暗黒の儀式"から第1ターン目に登場することで有名な"惑乱の死霊"は、対処の難しい青単や緑単のデッキは存在さえ許されなかった恐るべきカードだ。あまりの強力さゆえに再録はあり得ないと考えられていたが、第9版でまさかの復活となった。しかし"暗黒の儀式"は失われていたため、第4版当時の活躍までとはいかなかったようだね。


黒のレアにはあの1枚制限が

不吉の月


"不吉の月/Bad Moon"
(1)(黒)
エンチャント
黒のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。


黒い"十字軍"たる"不吉の月"は、白に比べクリーチャーの弱い黒の特色を鑑み、コストの色拘束が緩くなっている点が特徴だ。しかしミラージュテンペスト期では黒クリーチャーの質が向上し、黒ウィニーは大きな勢力として認識されるまでに至った。環境と共に評価を変えた優良カードといえるね。


Lord of the Pit“奈落の王/Lord of the Pit”
(4)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー デーモン
飛行、トランプル
あなたのアップキープの開始時に、奈落の王以外のクリーチャーを1体生け贄に捧げる。できない場合、奈落の王はあなたに7点のダメージを与える。
7/7


黒クリーチャーの大ボスとして君臨するのが"奈落の王"という大型クリーチャーだ。黒にしては良好なコストパフォーマンスに、黒らしい強烈なデメリットが付いている。生贄は強制なので、こいつを戦場に出したら速やかにゲームを終わらせなくてはいけないし、それが可能なパワーを持っている。それでもトーナメント・シーンで活躍できるような性能ではなく、イカしたビジュアルとネーミングでマジックの黒を演出するのが主な仕事だったかな。


精神錯乱

"精神錯乱/Mind Twist"
(X)(黒)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードをX枚、無作為に選んで捨てる。



最強手札破壊カードである"精神錯乱"は、第4版に残った1枚制限カードの中でも特に凶悪だ。このマナ効率ではもはや「無作為に」捨てさせるという意味もほとんどない。おそらくこの呪文が解決された後は、相手の手札が0になっているだろうからね。ここでも"暗黒の儀式"が活躍するわけだ。


青黒のカードたちはいかがだったろうか。次回は赤緑のカードの紹介になるので楽しみにしてほしい。

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クロニクルと順序が前後してしまったが、今回から基本セット第4版について話すことにしよう。私が買った最初の基本セットで、また最初に日本語版が発売されたセットでもある。基本セットでありながら黒枠として発売されたので、黒枠病に冒されていたいた友人はこの日本語版第4版を買い漁っていたよ。症状が重い時には、「白枠の"神の怒り"では再生を許してしまう」とか、「枠の黒い”アーマゲドン”でないと自分の土地しか壊れない」とかうわ言を言っていた。彼はその後、南米のとある国で秘密裏にベータを印刷している工場があるとのデマを信じ込み、渡航し行方不明となった。

今回は初めて基本セットについて触れるということで、第4版以降も基本セットに収録された様々なカードたちも取り上げていこうと思う。そのため紹介するカードがかなり多くなってしまってね。だから今回から4回に分けて話を進めていこうと思うんだ。ちょっと長くなるが、よろしく頼むよ。


リバイズド(第3版)との違い

Regtowthさて、第4版リバイズドとの一番の相違点はデュアルランドが抜けたことだろう。その他にも"Braingeyser""Demonic Tutor""Regtowth"といった当時の制限カードがいくつか再録を逃しているね。制限カード以外の強力カードでは"Serendib Efreet"第9版で再録された"密林の猿人/Kird Ape"が有名だ。一方で新規に加わったカードとしては、"土地税""ボール・ライトニング""森の知恵"などが有名だ。今見返すとリバイズドより全体的に落ち着いたセットとなっている印象だ。


第4版で最も優遇された白

土地税“土地税/Land Tax”

(白)
エンチャント

あなたのアップキープの開始時に、対戦相手1人があなたより多くの土地をコントロールしている場合、あなたはあなたのライブラリーから基本土地カードを最大3枚まで探し、それらを公開し、あなたの手札に加えてもよい。そうした場合、あなたのライブラリーを切り直す。


膨大なアドバンテージをもたらす"土地税"は、白い"Ancestral Recall"とまで言われた強烈な能力を持つエンチャントだ。一度起動するだけで手札が3枚も増える。しかも、エンチャントなので繰り返し使える。持ってきた土地を戦場に出すかは自分の任意なので、一度起動し始めたら毎ターン手札が3枚増え続けるというとんでもないカードが、たった1マナで出せたんだ。ライブラリー圧縮効果も期待できる。多色化しても土地事故を大きく予防できるし、"ハルマゲドン"のようなカードと相性がいい。強すぎたため、私がマジックを初めて間もなく1枚制限カードになってしまった。


天秤“天秤/Balance”

(1)(白)
ソーサリー

各プレイヤーは、コントロールする土地の数が最も少ないプレイヤーがコントロールする土地の数に等しい数だけ、自分がコントロールする土地を選ぶ。その後、残りを生け贄に捧げる。同じ方法で、各プレイヤーはカードを捨て、クリーチャーを生け贄に捧げる。


ゲームをひっくり返すという言葉がぴったりな"天秤"は、たった2マナで土地、クリーチャー、手札を全て吹き飛ばせる性能を持っている。状況に合わせて使い分けられるのがとても強かった。"土地税"を出し、"Zuran Orb"で土地をライフに変えてから"天秤"をキャストするのが定番だった。1枚制限カードを3枚も使う贅沢なコンボだ。今のルールだと土地を生贄に捧げてから打ち消されるおそれがあるが、当時のルールではそれができなくてね。打消しはインスタントとは別の処理だったから、通ったのを確認してから"Zuran Orb"を起動できたんだ。


神の怒り“神の怒り/Wrath of God”

(2)(白)(白)
ソーサリー

すべてのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。




白の特徴を表すカードとして挙げるべきは"神の怒り"だろう。レアリティの判別が付かなかった当時の私でも、はっきりと「これはレアだね」と確信できるくらい、分かりやすい強力カードだった。1対多の交換がゲームを有利に進める上で重要であり、単に強いクリーチャーを並べるだけのゲームではないと認識させてくれた素晴らしいカードだった。おっと、手札破壊や打消しの重要性も同時に教えてくれたね。とにかく初心者脱却の足掛かりとなった思い出深いカードだったよ。青白コントロールでは4枚投入が当たり前だったね。


白ウィニー隆盛!

ハルマゲドン“ハルマゲドン/Armageddon”

(3)(白)
ソーサリー

すべての土地を破壊する。




"神の怒り"と対をなすように君臨したのが土地破壊の"ハルマゲドン"だ。様々なデッキを「"ハルマゲドン"があるから」という理由で存在させなかった、環境基準カードの代表選手だ。主な用途は単なるマナ拘束というよりは、自分の有利な状況を固定化し逆転を許さないようにすることだった。白ウィニーデッキは"神の怒り"を撃たれる前に"ハルマゲドン"を撃てば勝ち、ということも多かった。別の面では相対的に土地以外のマナ供給源の価値を押し上げたカードであるともいえる。必要以上に土地を戦場に出さないようにするプレイングを教えてくれたカードでもあるね。


十字軍“十字軍/Crusade”

(白)(白)
エンチャント

白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。




当時の白ウィニーを支えたもう1枚が"十字軍"だね。昔のカードらしく相手の白クリーチャーも強化するので、ミラーマッチではおよそウィニーとは思えないようなサイズのクリーチャー同士がにらみ合う、なんて光景が見られたよ。一方、ブロック宣言後に破壊されると戦線が崩壊するという全体強化エンチャントらしい弱点もあり、相手の手札を予想しながらデュエルする大切さを教えてくれたカードなんだよ。


サバンナライオン“サバンナ・ライオン/Savannah Lion”

(白)
クリーチャー 猫

2/1




"十字軍"と共に活躍し、躍動感あふれるイラストで人気だったのが"サバンナ・ライオン"だ。白1マナで2/1バニラという、コストパフォーマンスに優れたこいつは、当時の私にはなぜこれがレアカードなのか理解に苦しんだものだ。何の特殊能力も持たないこのクリーチャーの優秀さを知るためには、いくつかのマジックの基本理論とカードプールの知識が必要だったからね。こいつのフレーバー・テキストにはなぜか「伝統的にジャングルの王者とされる・・・」と書かれていて、サバンナなのにジャングルの王でいいのか?と不思議に思ったものだよ。


アンコモンも白が強かった

白騎士“白騎士/White Knight”

(白)(白)
クリーチャー 人間 騎士

先制攻撃
プロテクション(黒)

2/2


そんなジャングルの王と一緒に白ウィニーを支えた"白騎士"は、プロテクションのルールを教えてくれた先生だ。マジックを始めた当時、英語の説明書のどこにプロテクションの説明があるのか探すことさえ大変だったものさ。黒いデッキに強いのはもちろん、メインデッキで"ボール・ライトニング"を止める手段としても活躍したよ。"臨機応変"によるプロテクション書き換え対象としても優秀だった。



剣を鋤に"剣を鋤に/Swords to Plowshares"

(白)
インスタント

クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。それのコントローラーは、そのパワーに等しい点数のライフを得る。



"剣を鋤に"は単体除去として歴代最強のカードだろう。夢の1マナ確定除去は、クリーチャー除去の得意な黒ではなく白だったんだ。相手がクリーチャーレスデッキであっても、自分がクリーチャーを使っていれば緊急のライフ獲得手段になる。また、破壊不能クリーチャーや墓地利用系デッキに対しても強い。たった1マナのインスタントでここまでの性能は破格過ぎるね。その強さゆえに第4版を最後に再録されていない。しかし"稲妻""惑乱の死霊"が再録されたということもあり、もしかしたら再びスタンダード使える日が来るのかもしれないね。


セラの天使"セラの天使/Serra Angel"

(3)(白)(白)
クリーチャー 天使

飛行
警戒

4/4


"セラの天使"は当時のエース級クリーチャーだ。今の水準で見ると少し物足りない性能だが、"アーナム・ジン"と同様に"ハルマゲドン"と一緒に使われることがあり、こちらはセラマゲドンと呼ばれていたよ。白だけで完結するので、アーニーゲドンよりデッキの自由度が高く、私は青白でセラマゲドンを使っていたね。除去耐性がないので、折角"ハルマゲドン"を打ってもあっさり"剣を鋤に"で除去されることも多かったがね。それでも第4版の環境では高スペックなクリーチャーだったんだ。特に高マナ域のクリーチャーが弱い白にあっては、他に考慮できる比較対象はなかったと言っていい。


防御系カードは白の十八番

赤の防御円"赤の防御円/Circle of Protection:Red"

(1)(白)
エンチャント

(1):このターン、あなたが選んだ赤の発生源1つが次にあなたに与えるすべてのダメージを軽減する。



白と言えば防御の得意な色だ。そんな防御的なカードの代表が各色の"防御円"シリーズだろう。どんなダメージソースでもたった(1)で無力化してしまうという高性能な防御カードだ。しかもコモンだったため、限定構築ではエンドカードになり得る性能だったよ。スタンダードでもよくサイドボードに投入されることになるわけだが、特に"赤の防御円"はエンチャントに手出しできない赤単デッキにとって致命的で、結果赤単色はアーティファクトを使うことが多かったね。


孤島の聖域"孤島の聖域/Island Sanctuary"

(1)(白)
エンチャント

あなたのドロー・ステップの間にあなたがカードを1枚引く場合、代わりにあなたはそのドローを飛ばしてもよい。そうした場合、あなたの次のターンまで、飛行か島渡りを持つクリーチャーしかあなたを攻撃できない。


白の防御カードとしては"孤島の聖域"も紹介しておこう。ドローが止まってしまうという大きなデメリットがあるが、エンチャントに手出しできないデッキだと1枚で完封し得る性能を持っている。前述の"土地税""十字軍""防御円"のように、白はエンチャントが特に強く、結果エンチャント除去のできないデッキを環境に許さなかったという面を持っていたように思えるね。当時活躍したデッキに赤黒や青黒は少なかったと記憶しているよ。


解呪"解呪/Disenchant"

(1)(白)
インスタント

アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。




こうした強力なエンチャントに対抗する手段も、やはり白だった。"解呪"は当時の重要な除去で、というのも当時はサイドボードまで含めるとエンチャントもアーティファクトも一切入っていないデッキというのは稀だったんだ。前述のエンチャントのほかにも、アーティファクトでは"Zuran Orb""黒の万力""象牙の塔""ネビニラルの円盤"といったトーナメント常連カードが多くのデッキに採用されていて、今より手札に腐ることは少なかったんだ。


白いカードについては以上だ。次回は青黒のカードを紹介する予定だよ。

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