無色のダメージソース!

Ankh of Mishra"ミシュラのアンク"
(2)
アーティファクト
土地が1つ戦場に出るたび、ミシュラのアンクはその土地のコントローラーに2点のダメージを与える。




スーサイドな香りを持ったアーティファクトが"ミシュラのアンク"だね。最序盤に出せれば、土地を置くだけで2ダメージというのはかなり痛い。当然土地破壊デッキに向いるなカードだが、バーンやゴブリンデッキの無色のダメージソースとして使われたり、軽いデッキが対コントロールデッキ用のサイドボードに投入していたこともあり、幅広い実績を持つ優良カードだよ。


Black Vise“黒の万力”
(1)
アーティファクト
黒の万力が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、黒の万力はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、そのプレイヤーの手札のカードの枚数引く4である。



直接盤面に影響を与えられないカードは弱い、というのが一般的な見解だが、それ自体が軽量で優秀な勝利手段であれば話は別だ。"黒の万力"はまさにそういったカードだね。先攻第1ターンに"暗黒の儀式"からこいつが3枚でてきたらどうだね?というわけで、あまりの凶悪さから1枚制限カードに指定されていたわけだ。

TheRack"拷問台"
(1)
アーティファクト
拷問台が戦場に出るに際し、対戦相手を1人選ぶ。
選ばれたプレイヤーのアップキープの開始時に、拷問台はそのプレイヤーにX点のダメージを与える。Xは、3引くそのプレイヤーの手札の枚数である。



“黒の万力”には及ばないものの、”拷問台”は実績のあるカードだ。”Hymn to Tourach””惑乱の死霊”が環境にあったため、手札破壊デッキが一大勢力となっていたからだ。手札破壊さえしていれば勝てる、という状況をたった1マナで実現してくれるこのカードは、強さもさることながらビジュアル面でも人気の一枚だったね。


Ivory Tower"象牙の塔"
(1)
アーティファクト
あなたのアップキープの開始時に、あなたはX点のライフを得る。Xは、あなたの手札のカードの枚数から4を引いた点数である。




"象牙の塔"はライフ獲得系カードでは珍しい1枚制限カードの一つだ。対になる"黒の万力"はアルファから存在しているが、こちらはアンティキティーで登場した。ちなみに「象牙の塔」という言葉はフランス語の慣用句で、学者や芸術家のような浮世離れした相手を皮肉る言葉だそうだよ。


無色のカードアドバンテージ!

Jayemdae Tome"ジェイムデー秘本"
(4)
アーティファクト
(4),(T):カードを1枚引く。





簡潔なテキストが魅力の"ジェイムディー秘本"はドロー系アーティファクトの先駆けだ。1枚目を引くためには1枚と8マナを使うことになるので、かなり遅いデッキで複数回起動しないと元が取れない。それでも長期的観点でアドバンテージをもたらす効果は評価され、コントロール系デッキで1~2枚投入されることがあったね。


Disrupting Scepter"破裂の王笏"
(3)
アーティファクト
(3),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。この能力は、あなたのターンの間にのみ起動できる。




ドロー系アーティファクトの次は、ディスカード系アーティファクトの"破裂の王錫"を紹介せねばならないね。ドローは4マナ、ディスカードは3マナというのが、得られるアドバンテージの確実性に差がある結果だろう。継続的な手札破壊は相手に手札使用を強制させる効果があると評価できる。この強要にはマナの支払いが不要で強力であることも見逃せない。こちらもコントロール系のデッキで実績を残した良いカードだよ。


Nevinyrral's Disk"ネビニラルの円盤"
(4)
アーティファクト
ネビニラルの円盤はタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):すべてのアーティファクトとすべてのクリーチャーとすべてのエンチャントを破壊する。



第4版のトップレアの一つ、"ネビニラルの円盤"は1枚で場をコントロールできる力を持ったカードだ。"神の怒り"などと異なり、とりあえず戦場に出しておき状況が悪化したら起動、という使い方ができたのが強みだ。初心者のころは何度もこのリセットに助けられたよ。ネクロディスクヨーロピアンブルーのキーカードの一つとして大活躍したカードだね。


無色のデッキコンセプトカード!

Millstone"石臼"
(2)
アーティファクト
(2),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーのカードを上から2枚、自分の墓地に置く。




ライブラリー破壊デッキの基本である"石臼"は、アンティキティーから基本セットに収録されたカードだ。当時も変わらず、青白の防御的なデッキで利用されていた。メタの中心になるまでには至らなかったが、多くのデッキがこのカードを恐れてサイドボードに"フェルドンの杖"を1枚投入していたものさ。


winter orb"冬の宝珠"
(2)
アーティファクト
プレイヤーは自分のアンタップ・ステップに土地を1つだけしかアンタップできない。




白熊のイラストが印象的な"冬の宝珠""停滞"と共にロック系カードの古典だ。ある程度土地が起きたところに叩き込む"ハルマゲドン"はなかなか爽快だったものさ。当時のルールでは「タップ状態の"冬の宝珠"は能力を失う」とされていたため、"氷の干渉器"とのコンボでは一方的に相手の展開を遅らせることができた。プリズンと呼ばれるデッキのメインコンボで、当時私の愛用デッキだった。


ManaVault
”魔力の櫃”
(1)
アーティファクト
魔力の櫃はあなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、あなたは(4)を支払ってもよい。そうした場合、魔力の櫃をアンタップする。
あなたのドロー・ステップの開始時に、魔力の櫃がタップ状態である場合、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):あなたのマナ・プールに(3)を加える。


様々なコンボデッキで悪行の限りを尽くしたのがこの"魔力の櫃"だよ。安すぎるコスト、多すぎる供給マナ、小さすぎるデメリットと三拍子揃った困ったヤツだ。第4版時代より第5版時代のMoMaメグリムジャーといったコンボデッキで高速化を担った。普通のデッキに入れても強くて、初心者の頃は赤単で1ターン目にコイツ、2ターン目に"オーグ"を出されて瞬殺された覚えがあるよ。


Howling Mine"吠えたける鉱山"
(2)
アーティファクト
各プレイヤーのドロー・ステップの開始時に、吠えたける鉱山がアンタップ状態である場合、そのプレイヤーは追加のカードを1枚引く。




普通に使うとアドバンテージ負けになってしまう"吠えたける鉱山"は、ターボステイシスにおけるフィニッシャーとして必ず4枚投入されていた。その後もコンボデッキの重要パーツとしていくつかのデッキに投入され結果を残した息の長いカードだ。初心者の頃、手に入れた時嬉しくてね。うっかり自慢の手札破壊デッキに投入したのはいい思い出かな。


トリスケリオン“トリスケリオン”
(6)
アーティファクト クリーチャー 構築物
トリスケリオンはその上に+1/+1カウンターが3個置かれた状態で戦場に出る。
トリスケリオンから+1/+1カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。トリスケリオンは、それに1点のダメージを与える。


第4版の6マナアーティファクト・クリーチャーでは圧倒的な性能を誇る、我が"トリスケリオン"はイラストのコミカルな印象からは想像できないカードパワーを秘めている。普通にファッティとしても使えるし、クリーチャー除去としても期待できる。バウンスやリアニメイトとは特に相性がいい。さらにコンボデッキでフィニッシャーまで勤めるという芸達者ぶりだ。ぎりぎりで禁止カードにはならなかったが、無色ゆえに当時ほとんどのデッキで採用されて・・・すまん、ちょっと話を盛ったかもしれん。


特殊地形は万能選手

Mishra's Factory“ミシュラの工廠 “
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1):ミシュラの工廠はターン終了時まで、2/2の組立作業員アーティファクト・クリーチャーになる。それは土地でもある。
(T):組立作業員クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。



今なおクリーチャー化する土地を「ミシュラランド」呼ぶ由来でもある"ミシュラの工廠"は、基本セットでは第4版にしか収録されていいないカードの中でも特に強い1枚だね。たとえ"神の怒り"を撃たれた後でも、こいつはアタックに行ける。さらにブロック時に強化能力を使えば"白騎士""黒騎士"をも抑えられる。もっとも当時のルールでは「ブロッカーがタップされた場合は戦闘ダメージを与えない」というびっくりルールがあったから、ブロックして倒すには"ミシュラの工廠"が2枚以上必要だったんだ。


Strip Mine“露天鉱床 “
土地
(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。
(1),露天鉱床を生け贄に捧げる:土地1つを対象とし、それを破壊する。




"露天鉱床"は、単純なカードパワーでは第4版最高かもしれないね。土地なのでコストもなければ打ち消されることもない。色もないからどんなデッキでも投入可能。土地事故している相手にはこれだけで勝てることもある。パーミッションは島を2枚立てているだけでは"対抗呪文"が撃てないなんて当たり前だった。当然、私がマジックを始めてしばらくすると1枚制限カードとなってしまった。



さて、4回に渡って第4版を紹介したわけだが、いかがだったかね?1枚制限カードが収録された最後のセットであり、加えてアンティに関するカードの収録された最後のセットでもある。また、多色地形を一切含まない基本セットは第4版だけだ。今の基本セットと比べると特にクリーチャーの水準が低い環境だった上、除去は今と互角かそれ以上だったためにとにかくクリーチャーが死にやすい時代だった。そのせいでデュエルが長引くことが多かったんだ。

アイスエイジと同等かそれ以上にレアが寒いことでも有名だ。色を変えるだけの"純白の色"のようなカードがしっかり5枚あったり、到達と+0/+2を与えるオーラがレアだったりとなかなかの酷さを誇っていた。しかしレジェンドとダークからの再録組は優秀なカードもあり、単純にリバイズドの劣化版とは言い切れないところもある。

個人的には最初に出会った基本セットということもあり、特に思い出深いセットだよ。初の日本語版ということで、デュエリストが周囲に増えたというのが嬉しかったね。全体的には今の水準からみると弱いカードが多いが、見方を変えるとレアリティ間のカードパワーの差が小さかったともいえる。カード所持量が少ないデュエリストでもある程度戦いやすかった環境だったかな。私の友人はコモンデッキで小さな大会に出場し、準優勝していた。

当時を知る現役デュエリストも少なくなった。少々バランスは悪いが、古い時代の趣を湛えた魅力的なこの第4版を紹介できて嬉しく思っているよ。興味を持ってくれたなら、ぜひほかのカードも調べてみてほしい。特に青いコモンはひどいカードが多くて、きっと戦慄すること間違いなしだよ・・・。