ハルシオンのMTGブログ

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2014年10月

第4版の頃のトレード事情

部屋を整理していたら懐かしい日記が出てきたよ。そこには第4版が出て間もないころ、ある大会でトレードをした記録が書かれていたんだ。あの頃は日本語版がない上に、インターネットでの情報収集もできなかったからね。レアリティさえ分からない混沌とした状況の中で、本当に自分が使いたいカードをトレードする、というある意味正しいトレード環境だった。この日記を頼りに当時の記憶を呼び覚まして紹介しよう。今回登場する第4版のカードについては、一部以前話題に出ていた覚えがあるから、思い出しながら聞いてほしい。


初参加の大会にて

その日、私はマジックの大会に初参加し、友人以外とトレードするのは初めてだった。その頃私はメインの赤緑デッキと、サブの青黒デッキを使っていた。もっとも、デッキのアーキタイプという概念さえなく、適当に強そうなカードや使ってみたいカードを突っ込んだだけの、今から思えば紙の束だ。私が試合開始前に会場でカード整理をしていた時、一人の見知らぬ男が近づいてきてこう言った。「良かったら君のカードを見せてくれないか?カードを交換しよう」

デッキを強化するためには新しいカードが必要だと考えていた私は、戸惑いながらもその申し出を受け入れた。カードファイルも持っていなかったため、その若い男は私のカードボックスのカードを端から見だした。一方で私は男のカードファイルを見る。初めて見るカードが多くてね、ワクワクしたものさ。当時の私は知らないカードのイラストを見るだけでも新鮮で楽しい、といった純真無垢な少年だったんだ。

私が物珍しげに彼のカードを眺めている間に、その男は私の数百枚のカードをあっという間に見終え、その中から何枚かのカードをピックアップしていた。「俺が欲しいのはこのカード達だ。この中でトレード出来ないものはあるかい?」男はそう言うと、私の前に数枚のカードを並べた。その箱には今デッキに入れていないカードだけが入っていたので、出せないカードはないと答える。彼は満足げに欲しいカードを選んでくれ、と言った。まだ中学生だった私は英語を訳すのも一苦労で、強いクリーチャーが欲しい、とか、面白いカードを使ってみたい、とか曖昧な希望を伝えた。


初トレード、始まる!

ハルマゲドン男「まず俺が欲しいのはこの"Armageddon"だ」
私「ああ、白は使ってないから別にいいよ。それって強いの?
男「自分の土地も壊れてしまうからね。はっきり言って使いにくいカードだね」
私「じゃあなんでそんなカードが欲しいのさ?」
男「友達が黒緑の"Kormus Bell""Living Lands"のデッキを使っているから、その対策にと思ってね」
私「それってどんなデッキなの?スゴイの?
男「ああ。自分の土地を1/1のクリーチャーに変えて殴ってくるという強烈なデッキなんだ。"Kormus Bell"は”沼”を、"Living Lands"は”森”をクリーチャーに変えてしまうというぶっ飛んだレアカードなんだ」
私「そりゃあ、スゴイね!」

Kormus Bell“コーマスの鐘/Kormus Bell”
(4)
アーティファクト
すべての沼(Swamp)は黒の1/1のクリーチャーである。それは土地でもある。




Living Land“生きている大地/Living Lands”
(3)(緑)
エンチャント
すべての森(Forest)は1/1のクリーチャーである。それは土地でもある。




男「ああ。だから俺は”Armageddon”のようなカードが必要なんだよ」
私「なるほど、分かったよ。えっと、代わりに何をもらおうかな・・・」
男「じゃあ、君の赤緑デッキにピッタリな、この"Hurr Jackal"はどうだい?」
私「えー、1マナ1/1かあ。弱そうだな」
男「確かにそうかもしれない。でもコイツは中々役に立つ能力を持っている」
私「どんな能力なの?」
男「君はregenerate(再生)持ちクリーチャーに苦しめられたことはないかい?」
私「ああ、あるある。友達の"Will-o'-the-Wisp(黒1マナ、飛行、再生の0/1。レア)"に、僕の"Craw Wurm(4緑緑、6/4バニラ、コモン)"が止められちゃうんだ。赤緑だとどうにもできないんだよね」
男「そんな時、この"Hurr Jackal"が活躍する。コイツはタップだけで対象クリーチャーの再生を禁止させられる!」
私「おお、スゴイ!」


あのアラビアン・ナイトのカードをもらえた!

Hurr Jackal“Hurr Jackal/ハール・ジャッカル”
(赤)
クリーチャー 猟犬
(T):クリーチャー1体を対象とする。このターン、それは再生できない。
1/1

男「しかもコイツはあのアラビアン・ナイト出身の再録カードなんだ」
私「アラビアン・ナイト?名前は聞いたことあるよ。昔のセットだよね?」
男「そう。あまりにも強力なカードが数多く収録されているため、今では入手困難で1パック買うだけでも1万円以上(当時)もするという、あのアラビアン・ナイトだ」
私「そうなんだ!スゴイ!」
男「"Hurr Jackal"はコモンのレアリティで収録されたのだが、強すぎたせいで第4版ではレアカードとして昇格再録させられた」
私「えぇ!そんなカードをくれるの?」
男「ああ。俺のデッキには他に再生対策があるからね」
私「嬉しい、やった!」


サバンナライオン男「そうか。じゃあこの"Hurr Jackal"は君の物だ!」
私「ありがとう!」
男「次はこの"Savannah Lions"が欲しいんだけど」
私「え、そんな何の能力もないクリーチャー、さっきのおまけにあげるよ!」
男「いやいや、それは悪いから、もう一枚"Hurr Jackal"を付けるよ」
私「え、やった!ありがとう!お兄さんいい人だね!」
男「1枚だけじゃ引けないと困るだろうからね」



緑では珍しいあの能力を持ったカードをゲット!

神の怒り男「さて、次に俺が欲しいのはこの"Wrath of god"だ」
私「あー、それかあ」
男「クリーチャーを全滅させられるカードだけど・・・確か白は使っていないんだよね?」
私「うん。自分のクリーチャーが一緒に死んじゃうなんて、まっぴらだよ」
男「これを使えばクリーチャーになった土地をまるごと始末できるからね。俺には必要なんだ」
私「ああ、確かに"Armageddon"だけだと不安だよね。いいタイミングで引けないと駄目だから」
男「そうなんだ。だからこのカードをトレードしてほしい」
私「いいけど今度は何をもらおうかな」
男「緑のクリーチャーなら、この"Timber Wolves"はどうかな?」
私「また1マナ1/1かあ。しかも能力がBanding(バンド)だけじゃん」
男「ところで、緑のBandingクリーチャーって見たことあるかい?」
私「そういえば初めて見たね。今まで見たのはみんな白かった」
男「そう。なぜだか分かるかい?」

Timber Wolves“森林狼/Timber Wolves”
(緑)
クリーチャー 狼
バンド
1/1

私「うーん、分からないや」
男「緑にBandingは強すぎるから、さ」
私「え、そうなの!?」
男「そう。だからコイツはレアなんだ」
私「そっか。緑のパワフルなクリーチャーがBandingで攻めて来たら、確かに強いもんね!」
男「ああ、そうさ。君の"Craw Wurm"と一緒に攻めてどんなに強い相手にブロックされても、Wurmは死なないね。しかもそれが赤緑デッキで実現できるんだ」
私「分かったよ!"Wrath of God"と交換しよう」
男「ありがとう」
私「これで僕のデッキは強化されたね!」
男「ああ、もちろんさ」


ついに登場!最強クリーチャー!

Nevinyrral's Disk私「ねえ、次は?次は?
男「ははは、そう慌てなくていいよ。次は"Nevinyrral's Disk"が欲しいんだ」
私「確かそれも僕のクリーチャーが死んじゃうんだよね」
男「そう。しかも、エンチャントやアーティファクトも破壊される」
私「あ、分かった!"Kormus Bell""Living Lands"も一緒に壊そうって魂胆だね!」
男「察しがいいなあ。君は将来きっと強いデュエリストになるね」
私「そうかな、えへへ」
男「そんな君に、このカードを紹介しよう」
私「す、スゴイ!10/10だっ!」
男「そう。これが最強クリーチャーの"Leviathan"だ!」

eviathan
“リバイアサン/Leviathan”
(5)(青)(青)(青)(青)
クリーチャー リバイアサン
トランプル
リバイアサンはタップ状態で戦場に出、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。
あなたのアップキープの開始時に、島を2つ生け贄に捧げてもよい。そうした場合、リバイアサンをアンタップする。
リバイアサンは、あなたが島を2つ生け贄に捧げないかぎり、攻撃できない。
10/10

私「Trumpleまで持ってる!凄すぎ!絶対欲しい!
男「サブの青黒デッキがメインになってしまうかもしれないね」
私「うん、そうするよ!」
男「おまけにこのカードも付けよう」
私「なんだか気味の悪い絵だね。これは?」
男「この"Deathlace"があればたった1マナで"Leviathan""Terror(1黒、インスタント、黒でないクリーチャーを破壊。コモン)"から守れるぞ」
私「そうなんだ。やった!

Deathlace“死の色/Deathlace”
(黒)
インスタント
呪文1つかパーマネント1つを対象とする。その色は黒になる。





手ごわいアーティファクト対策も入手!

triskelion十字軍

男「俺はもうこれで十分だが、何かあるかい?」
私「え、もっとトレードしたい!実は青黒デッキのアーティファクト対策が何かないか探してるんだ」
男「ああ、そうか。確かに青黒デッキはアーティファクトが対策しづらいね」
私「そうなんだよ。弟のトリ・・・トリス・・・ええと」
男「ああ、"Triskelion"か。アレは中々強いからね。それならコイツを使うといい」
私「何?この伸びた金貨みたいなカードは?」
男「これは"Warp Artifact"というアーティファクトに着けるエンチャントだ」
私「ふうん、付けるとどうなるの?」
男「アーティファクトの持ち主が、毎アップキープに1点食らう」
私「ダメージを与えられるんだ!破壊するよりスゴイかも!」
男「ああ、そうさ
私「これがあれば"Triskelion"を出させたことを後悔させられる!」
男「うん。じゃあこのマナコストが似ている"Crusade"と交換しようか」
私「そうだね、エンチャント同士でもあるし」
Warp Artifact”Warp Artifact/歪んだ秘宝”
(黒)(黒)
エンチャント オーラ
エンチャント(アーティファクト)
エンチャントされているアーティファクトのコントローラーのアップキープの開始時に、歪んだ秘宝はそのプレイヤーに1点のダメージを与える。



こうして私は赤緑デッキでの大会参加を急遽変更し、青黒デッキで大会に臨んだ。結果は・・・まあ、推して知るべし、だ。マジックの奥深さ、トレードの世界の厳しさ、カードの強さとは何か・・・。様々なことを学んだ素晴らしい機会だった。今の君たちはネットで最新の情報を簡単に入手できて・・・ちくしょうめ!!!
念のため付け加えておくが、これらのトレードは全てレアカード同士のトレードであり、その点では公正なトレードだったといえるだろう。

どうも、J也です。ゲームデーに参加したらアブザンだらけでびっくり、サイだらけでアグロ使いがげろげろ言いながらプレイしている恐ろしい光景が見られました。

そんな大流行のアブザンですが、残念ながら隆盛を使っている人は全然いない。なんてことでしょう。少なくともリミテッドでは隆盛の中でも1、2を争う強さなのですが、流石に構築では難しいか。いや、そんなことは無い。なんとかして構築でも使えるデッキを考えてみましょう。

とりあえずまずは隆盛の紹介から。

アブザンの隆盛jp_brdk86957g

まず出たときに自軍全体に+1/+1カウンターをばら撒く能力、これは単純に考えれば横並びのデッキに適している能力ですね。

そしてもう一つがトークンでないクリーチャーが死亡したときに1/1飛行のスピリットトークンを出す能力。こちらも横並びのデッキに適しているのですが、トークンではダメ、というのがちょっと厳しいかも。

総合的に見ると、結局横並びになるのかな、といった印象。数体にカウンターばら撒くのも、トークン出すのも横並びでなければ別のカードがあるので微妙そうです。

それでは、他で相性の良さそうなカードを考えてみましょう。

まずは各種長久クリーチャー達。jp_1qs5rloko4 飛行、絆魂、トランプル、接死、到達、先制攻撃と各種キーワード能力を与えてくれます。個人的には飛行を与えてくれるアブザンの鷹匠なんかはうまくいけばかなり強いのではないかと思ってます。ただ、クリーチャー出してからじゃないと隆盛はカウンターを載せてくれないので注意。どうしても遅くなるのが欠点ですね。

あと、長久ではないですがアラシンの上級歩哨なんかも良いですね。簡単に並んでるクリーチャー全体にカウンターが乗るので自身のサイズが単純に大きくなれる。

他には、例えば+1/+1カウンターを利用する1マナエンチャントたち。無題 硬化する鱗古き者どもの報復ですね。前者は隆盛以外にもいくつかカウンターを載せるカードがないとすぐに腐りますが、爆発力は上がります。後者は何でしょう、不死がいれば強かったんですけどね。若き狼のカウンターを取り除いてその若き狼除去してっていう、マナがある限り狼が墓地と戦場を行ったり来たりする遊びができたり。相性が悪いって訳ではないのですが、入れるときは完全に専用構築になりそうです。

また、ここまで+1/+1カウンターシナジーのことばかり目を向けていましたが、カウンターを載せる能力ではなくトークンを出す能力に注目すると、例えばヘリオッドの槍凱旋の間なんかの全体強化カードも良さげ。こっちの型にする場合、隆盛は擬似全体強化兼除去耐性付与というなかなかの強カードになります。どっちかというとこっち側の方がデッキの方向性が丸く収まりそうですね。

さて、それではデッキを考えてみましょうか。+1/+1カウンターのシナジーデッキは場面によって腐るカードが多そうなので、全体強化デッキに方向性を絞っていきましょう。


まずはアブザンの隆盛、これを3枚ほど。メインテーマだし、他の全体強化と違って複数枚引いても対消滅しないので。

そしてヘリオッドの槍と凱旋の間を2枚ずつ。ヘリオッドの槍は自軍全体+おまけなので文句無いのですが、凱旋の間を使う場合は色に制限がかかるのが難点。今回は隆盛から出るスピリットトークンを強化したいので白がメインになりそうですね。

白がメインになりそう、というのならまずは優秀な1マナ域、万神殿の兵士を4枚。あとは他の白の1マナ域を数枚入れときたいですね。anafenza 他の1マナ域は正直あまり強いカードがないですが、あえて挙げるなら全体強化と相性の良いアナフェンザの伝令あたりでしょうか。もっと沢山1マナ域を入れれたり速攻を入れたりできるのであれば忠実なペガサスあたりも良いのですが、そこまでの速度はないのでしょうがないかな、といったところ。伝令は1マナの枚数欲しいので3枚。

2マナ域は2マナ域でまた難しい。色事故が怖いですが、ライオンはすんなり入りそうなので4枚。これは別にいいのですが、あとの2マナ域がなんとも微妙。スペル多い訳じゃないけど道の探求者か、もしくはスピリットトークンを諦めて全体強化と相性の良い急報か。一応先制攻撃のアイノクの盟族なんかも。ここは悩んだらとりあえず入れてしまいましょうか。それぞれ3、3、2枚で。

そして3マナ域。全体強化がどれも3マナであまり入れたくはないマナ域です。anafe 候補としてはアナフェンザブリマーズ、鷹匠、英雄の記録者あたりでしょうか。鷹匠は一枚が弱い、記録者はタイミングが非常にシビアなので諦めるとして、あとの2枚はどっちも強い。でも個人的にアナフェンザだと3ターン目に黒マナ出ないといけないのがちょっと嫌なのでブリマーズでしょうか。正直どちらも強いし相性も悪くないとは思いますが。ということでブリマーズ3枚。

そして4マナには一応1枚くらいは入れときたいアラシンの上級歩哨。そして雑に強い真面目な訪問者、ソリンを2枚ほど。全体強化にもライフゲインにも色は合わないけどトークン作成にも使えてかなり丸いです。

じゃああとは丸い除去を入れておきましょうか。ゴブリンの扇動者以外は全部止めれる静止の場を2枚と大体何でも倒せる払拭の光2枚で。

これで大体全部でしょうか。出来上がったデッキがこちら。


土地 24

砂草原の城塞 3

豊潤の神殿 3

疾病の神殿 1

コイロスの洞窟 2

マナの合流点 2

吹きさらしの荒野 4

平地 7

森 2

クリーチャー 20

万神殿の兵士 4

アナフェンザの伝令 3

羊毛鬣のライオン 4

道の探求者 3

アイノクの盟族 2

オレスコスの王、ブリマーズ 3

アラシンの上級歩哨 1

スペル 16

アブザンの隆盛 3

ヘリオッドの槍 2

凱旋の間 2

急報 3

真面目な訪問者、ソリン 2

静止の場 2

払拭の光 2


こんな感じで。強化が上手く回れば強い、でもどこか綺麗にならなければぐだぐだ、といったデッキになってる感じはありますが、充分戦えるのではないでしょうか。

それではこの辺で。J也でした。

今回は”アライアンス”のレアカードたちを紹介!

前回に引き続き、アライアンスのカードの紹介を続けよう。今回はレアカードの紹介だ。当然、今回も強力カードが目白押しだから、うきうきしているよ。


まずはアーティファクトから!

Helm of Obedience"Helm of Obedience"
  (4)
アーティファクト
(X),(T):対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを、この方法でクリーチャー・カードかカードがX枚置かれるかするまで自分の墓地に置く。この方法によりクリーチャー・カードが墓地に置かれた場合、Helm of Obedienceを生け贄に捧げるとともにそのカードをあなたのコントロール下で戦場に出す。Xは0にできない。

「当時のアライアンストップレアは?」という質問は、かなりの難問といえるね。その中でも候補の一つとしてはこの"Helm of Obedience"が挙げられる。主にパーミッションデッキで使われた1枚で、相手のターン終了時に起動することでクリーチャー確保の役割を担ってくれた。その一方、クリーチャーレスデッキに対しては強烈なライブラリー破壊カードとしての働きをしたという、2つの活躍をした面白いカードだね。


Soldevi Digger"Soldevi Digger"
(2)
アーティファクト
(2):あなたの墓地の一番上のカードを1枚、あなたのライブラリーの一番下に置く。

前回紹介した"Brows"と一緒に活躍したのがこの"Soldevi Digger"だ。ゲームが進むにつれ必要なカードだけが詰まった高機能なライブラリーが完成していく。このタイプのデッキはブロウズディガーと呼ばれ、パーミッションデッキのの一つとして認知されていた。"Soldevi Digger"が除去されない限りはライブラリーアウトで負けないからね。"石臼"や前述の"Helm of Obedience"と一緒に使われていたよ。


Storm Cauldron"嵐の大釜/Storm Cauldron"
(5)
アーティファクト
各プレイヤーは、それぞれの自分のターンの間にさらに1枚の土地をプレイしてもよい。
土地がマナを引き出す目的でタップされるたび、それをオーナーの手札に戻す。

パッと見では重い上に使いづらそうな能力、といった印象だが、コイツには1ターンキルデッキを生んでしまったというとんでもない過去がある。自身ではなくタイプ1環境に存在した"Fastbond"というカードを1枚制限にしてしまった。無限マナから"生命吸収"を打つデッキなのだが、幸いスタンダードでは"Fastbond"相当のカードが不在のため猛威を振るうことはなかったね。


Lodestone Bauble"Lodestone Bauble"
(0)
アーティファクト
(1),(T),Lodestone Baubleを生け贄に捧げる:プレイヤー1人の墓地にある基本土地カードを最大4枚まで対象とし、それらをそのプレイヤーのライブラリーの一番上に望む順番で置く。そのプレイヤーは、次のターンのアップキープの開始時にカードを1枚引く。

デッキを選ばず土地破壊デッキへのサイドボードとして活躍したのが"Lodestone Bauble"だ。土地が墓地になくてもデッキ圧縮効果があるため、メタゲーム次第ではメイン投入もあり得た。アライアンスで登場した"Pillage"の入った土地破壊デッキはもとより、"ハルマゲドン"後のリカバリーにもひと役買っていた。


高アドバンテージの土地たちも強力!

Thawing Glaciers"Thawing Glaciers"
土地
Thawing Glaciersはタップ状態で戦場に出る。
(1),(T):あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探し、そのカードをタップ状態で戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。次のクリンナップ・ステップの開始時に、Thawing Glaciersをオーナーの手札に戻す。

当時のアライアンストップレアの一角、土地サーチ能力を持った土地である"Thawing Glaciers"は、第4版が落ちてからのスタンダードで猛威を振るった。多色デッキ向きの能力ともいえるが、遅いデッキであればアドバンテージを稼ぎやすいので、多色デッキでなくても投入されていたね。長期戦ではデッキ圧縮効果も高く、直接的でないアドバンテージを教えてくれる良いカードでもあったんだ。


Kjeldoran Outpost"Kjeldoran Outpost"
土地
Kjeldoran Outpostが戦場に出る場合、代わりに平地を1つ生け贄に捧げる。そうした場合、Kjeldoran Outpostを戦場に出す。そうしなかった場合、それをオーナーの墓地に置く。
(T):あなたのマナ・プールに(白)を加える。
(1)(白),(T):白の1/1の兵士クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

第4版がスタンダードを去り"露天鉱床"がなくなった時、このカードは時代の寵児となった。スタンダードのどんな大会でも必ずカウンター・ポストは成果を出していた。パーミッションコントロールという言葉を体現したかのような見事なそのデッキは、勝利手段は"Kjeldoran Outpost"またはナチュラルなライブラリーアウトだけだった。"Thawing Glaciers""Force of Will"と一緒にアライアンス全盛期を彩った1枚だよ。


Lake of the Dead"Lake of the Dead"
土地
Lake of the Deadが戦場に出る場合、代わりに沼を1つ生け贄に捧げる。そうした場合、Lake of the Deadを戦場に出す。そうしなかった場合、それをオーナーの墓地に置く。
(T):あなたのマナ・プールに(黒)を加える。
(T),沼を1つ生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに(黒)(黒)(黒)(黒)を加える。

"ネクロポーテンス"を支えた屋台骨の一つがこの"Lake of the Dead"だ。"暗黒の儀式"だけでは我慢できなかったのか、土地にまで高速化エンジンを搭載した格好だ。まったく、黒らしいワガママなやり口だね。沼1枚から計5マナも出てしまうというとんでもない爆発力は、"生命吸収"の火力アップから"ストロームガルドの騎士"のパンプアップまで幅広く活躍した。


有色カードもコントロール寄りのカードが強い!
Krovikan Horror"Krovikan Horror"
(3)(黒)
クリーチャー ホラー スピリット
終了ステップの開始時に、Krovikan Horrorがあなたの墓地にあり、そのすぐ上にクリーチャー・カードがある場合、あなたはKrovikan Horrorをあなたの手札に戻してもよい。
(1),クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。Krovikan Horrorはそれに1点のダメージを与える。
2/2

再利用可能なクリーチャーであるだけでも優秀だが、コイツはさらにクリーチャー除去としての効果も期待できる強力なレアクリーチャーだ。正直言ってこの頃のレアクリーチャーはイマイチな連中が多かったのだが、コイツはレアらしい強さを持っていたね。アイスエイジ"Ashen Ghoul"や第4版の"冥界の影"と一緒に活躍した姿が懐かしいものさ。


Dystopia"Dystopia"
(1)(黒)(黒)
エンチャント
累加アップキープ ― 1点のライフを支払う。
各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは緑か白のパーマネントを1つ生け贄に捧げる。

アライアンスには敵対色対策のレアが各色に1枚ずつあったが、実践で大きな成果を上げたのはこの"Dystopia"だった。3マナと軽い上に、維持コストがライフだけというのも優秀だ。累積アップキープとはいえ、状況によっては3対1以上もあり得た優秀なカードだ。いまだにヴィンテージなどで見かけられる、息の長いカードだね。


Diminishing Returns"先細りの収益/Diminishing Returns"
(2)(青)(青)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。あなたはあなたのライブラリーのカードを上から10枚、追放する。その後各プレイヤーはカードを最大7枚まで引く。

正直言って、アライアンスの青いレアはスタンダードでは活躍できなかった。まあ、青には"Force of Will"というとんでもないアンコモンがいるから仕方なし、といったところか。そんな中このカードは、第6版再録時にMoMaデッキの最終形態で採用されていたね。


Exile"流刑/Exile"
(2)(白)
インスタント
白でない攻撃しているクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。あなたは、そのタフネスに等しい点数のライフを得る。

トーナメントでよく見られた白いレアといえば、やはり"Exile"だろう。白クリーチャーには効かないものの、それでも"Phirexan Warbeast"がよく見られたものだから、1~2枚はメイン投入もされていたんだ。もちろんお得意様は"アーナム・ジン"や、前述の"バルデュヴィアの大軍"だったね。


数少ないビートダウン系の強力カードたち!

Kaysa"Kaysa"
(3)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー エルフ ドルイド
あなたがコントロールする緑のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
2/3

"Kaysa"待望の緑クリーチャー全体強化能力を持ったレアクリーチャーだ。緑はクリーチャー中心デッキになりやすいので意外なのだが、こうした能力は緑では初めてだったんだ。コストが重い上に、"十字軍"などとは違い自身がクリーチャーなので除去されやすい、伝説のクリーチャーであるという数々の問題があったがね。大人気絵師Rebecca Guayのイラストの良さも相まって、緑好きはデッキにお守りとして1枚入れている人もいたね。


balduvian Hords"Balduvian Hords"
(2)(赤)(赤)
クリーチャー 人間 バーバリアン
バルデュヴィアの大軍が戦場に出たとき、あなたがカードを1枚無作為に選んで捨てないかぎり、バルデュヴィアの大軍を生け贄に捧げる。
5/5

かなり意外に思うかもしれないが、このシンプルなクリーチャーもアライアンスのトップレアだ。当時のスタンダードを席巻していた”アーナム・ジン””セラの天使”でも止められないこのサイズは魅力的で、それが4マナというコストで現れたのだから、大人気となったんだ。苦手なバウンスは当時使われていなかったが、"Kjeldoran Outpost"の兵士トークンには手こずっていたね。


と、アライアンスの紹介はこんなところだ。とにかく、アライアンスのカード水準は当時としては異例で、あっという間に店頭から姿を消し、スタンダードリーガルの時期でもパックが定価で買えないという有り様だったんだよ。そのせいか・・・また次のミラージュではレアの強さが少し落ち着いたところがあってだねえ。まあ、その辺りはまた今度ゆっくり話すとしようか。

どうも、J也です。

この前近くのお店のFNMに参加したとき、ジェスカイの隆盛チェインデッキに先行4Tキルされました。

理論上の最速は3T目に無限コンボでLOが完成、もしも相手にブロッカーがいなければ2T目に飛行機械がパワー20以上で殴ってゲームセットらしいのですが、必要パーツが非常に多い。しかし、もしも何かしら相性の良いカードが見つかれば台風の目になりうる凄いデッキだな、と感じました。

それにしても、隆盛サイクルは何かしら可能性のあるサイクルなのかもしれませんね。ジェスカイの隆盛なんてコンボデッキ以外ではなかなか使われない性能ですが、それでもモダンで使われるくらいの能力を秘めていました。

ということで、今回からはしばらく他の隆盛をフィーチャーしたデッキを考えてみたいな、と思います。

それでは今回の隆盛はこれ!

ティムールの隆盛jp_79yul8t8nw

自軍のクリーチャーが皆速攻を持つ、言ってしまえば熱情と同じ能力に、更におまけとしてパワー4以上のクリーチャーが出る度に1ドローで後続を作るといういぶし銀能力が付きました。

今のスタンダードには、パーフォロスの槌という熱情にトークン生成能力が付いたライバルがいるので、この隆盛を使うなら2番目の能力を目当てに入れるべきでしょう。

一応、槌にはないメリットとして、複数枚引いても無駄になりにくいというのは忘れてはいけないこと。このおかげで3枚4枚入れてもいいかな、という気分になります。

それでは、この隆盛と相性の良いカードを考えてみましょう。

まずは言わずもがな、パワー4以上のカード。OdWuAp6USnm_JP_LR このカラーでよく使われるパワー4以上としては、まず嵐息吹のドラゴンポルクラノスの2大モンスターが挙げられます。ドラゴンは速攻をもともと持っているのであまり利点を感じませんが、ポルクラノスが速攻で殴ってくるのは怖い。

他には、手ごろな3マナ域としてゴリラこと凶暴な拳刃加護のサテュロス。ちなみにゴリラは6マナ払えば出したり戻したりでドローしにいくことができます。でも弱い動きなのでめったにしないでしょう。なんならテーロスの魂出してドローする方が強そう。隆盛ある時点で3ドロー確定だし。

ほかの有名どころとしては、飛行対策の高木の巨人や、マナさえ払えばついでに他のクリーチャーを引き連れてこれる始原のハイドラ、3マナなのに3マナで動けない幻影の天使なんかがあります。Image

惜しいところでいうとゼナゴスの狂信者なんかもありますが、パワー4になるのは場に出てからなのでドローはできません。隆盛おいてたら間違いなくカウンター置いてもらえないし。

まあ、こんなところでしょうか。基本的にこの隆盛はパワーの高いカードでごり押しながら息切れを防ぐというコンセプトになりがちなので、普通はこれらのカードを大量にデッキに入れるだけです。

しかし、せっかくこの場所で紹介するのだがらある程度はネタ要素も入ってないといけないと思うんですよね。正直、この隆盛を使った普通のデッキなんてどこにでもありそうだし。

ということで、こんなギミックを考えてみました。

歓楽者ゼナゴス + ウルドのオベリスク

ELJsJYK7L18_JP_LR413b6761

ウルドのオベリスクでサテュロス指定→ゼナゴス0能力起動で4/4速攻が出て1ドロー!強い!

オベリスクがあればゼナゴスのトークンが強化され、ゼナゴスがいればマナが沢山出るし、トークンも召集の種になるなど、お互いがシナジーを形成しているこの2枚。ここにティムールの隆盛があれば更に毎ターン1ドローがついてくるという脅威の盤面が完成します。

それでは早速、このギミックを盛り込んだデッキを考えてみましょう。


ティムールの隆盛アグロ

土地 24

奔放の神殿 4

開拓地の野営地 3

シヴの浅瀬 4

ヤヴィマヤの沿岸 4

森 5

山 2

マナの合流点 2

クリーチャー 24

森の女人像 4

クルフィックスの狩猟者 4

旅するサテュロス 3

世界を喰らうもの、ポルクラノス 3

嵐息吹のドラゴン 4

高木の巨人 2

凶暴な拳刃 2

加護のサテュロス 2

その他 12

歓楽者ゼナゴス 3

ウルドのオベリスク 2

ティムールの隆盛 3

かきたてる炎 2

稲妻の一撃 2


全部でパワー4以上が13枚。多すぎはしませんが、少なくとも一枚も引けなくて残念な気持ちになることは少なそうです。

とりあえずまず入れたのはティムールの隆盛を3枚。4枚だと引きすぎた時にいらっとするし、2枚だとコンセプトってなんだっけ?ってなるのでこの枚数です。

そしてゼナゴス3枚にオベリスク2枚。ゼナゴス4枚はやりすぎな感じがするので3枚です。ゼナゴスが弱くてサイドアウトする場面もあるとおもうので、あまり多すぎても困るかな。

それから、とりあえず緑を触っているのだからという安易な理由で女人像とクルフィックスの狩猟者も4枚ずつ。ハサミアグロのような高速で空飛んでくる相手以外にはなんだかんだ強いのでいいでしょう。そして追加のマナクリとして旅するサテュロスを3枚ほど。色を出すという意味なら爪鳴らしの神秘家の方が強いのですが、オベリスクでサテュロス指定したらついでに強くなるので。jp_2cx3yweg30

次に重要なパワー4以上の配分を考えましょう。まずポルクラノスは3枚。正直環境的に4枚でも良いくらいには強いのですが、個人的に伝説を4枚入れるのが嫌いなので3枚です。飛行戦力はぜひとも欲しいので嵐息吹のドラゴンは4枚。サルカンの方が除去になる分丸いのですが、1ドローできないので今回は入れません。

枠的にあまり除去を入れれないこと、そして飛行に対する解決策が無ければこの環境はなかなか厳しいことを考慮して高木の巨人を2枚ほど入れておきましょう。空中戦で巨人を越えることができるのは除去の強い白と黒だけなので、それ以外の色に対しては非常に強力です。

あとは単純に強い凶暴な拳刃を2枚。jp_qffyqwv5h7 せっかく青が完全にタッチ色になってくれているので、あまり枚数増やしてマナ基盤をタイトにしたくはないです。そして加護のサテュロスを2枚、これはそこまでカードパワーが高くないというのがほぼ全て。4/2というサイズは扇動者対策のマグマの噴流でやられ、たとえオベリスクで強化していてもかきてたる炎で倒されるというのが個人的に気に入らない。あとは授与して強いところがドラゴンくらいしかないってこともマイナスですね。スーラクやナイレアがいれば大体どこに授与しても強くなるのですが、残念ながら今回は枠がかつかつなので見送りです。

最後の枠は除去としてかきたてる炎を2枚と稲妻の一撃を2枚。ここは好みだとは思います。候補としてはドラゴンやロック鳥を倒せるかきたてる炎、カマキリやゼナゴス、キオーラを倒せる軽い除去の稲妻の一撃、倒せる相手が扇動者とマナクリ、ウィニーくらいにはなるが占術がついているのが優秀なマグマの噴流、最軽量で隙が小さいマグマのしぶきくらいでしょうか。

全体的に緑が濃いのでナイレア入れたりニクソスからの始原のハイドラなんかのギミックを入れても強いとは思います。もしくは青がちょっとだけ濃くなりますが多色の強いカードを連打するデッキにするとか。基盤は前の環境からありましたが、まだまだ環境初期なので色々と新しいカードを試みる余地はありそうですね。

それではこの辺で。J也でした。

胸が高鳴る!超強力セット”アライアンス”

ふふふ、やあ、遅かったじゃないか。待っていたんだよ。え?なぜって?そりゃあ、今日はアライアンスの話ができるからさ。私は強いセットが好きなんだよ。強いカードの話ができるのは嬉しいものさ。あまりにも好きなカードが多いので、今回は大型セット以外で初めて2回に分けてお話しさせてもらうよ。このアライアンスはそれに相応しい、実にパワフルなセットだ。それでは、始めよう。

まずはアライアンスの代名詞、ピッチスペルを紹介

Force of Will"Force of Will"
(3)(青)(青)
インスタント
あなたは、"Force of Will"のマナ・コストを支払うのではなく、1点のライフを支払うとともにあなたの手札にある青のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。

おそらくこのカードだけで記事が1本書けてしまうだろう。有名カードなので詳しい説明は省くが、間違いなくアライアンスを代表するカードだよ。歴史的な1枚と言っていいだろう。マジックのプレイングに甚大な影響を与え続けている。このカードが存在するせいで、勝てるデュエルを落としたなんてことは数知れず、だ。私は存在しているせいで、と言ったね。相手に打たれたせいで、とも、相手が手札に持っていたせいで、とも言っていない。存在するだけで強い、という稀なカードだ。


Contagion"Contagion"
(3)(黒)(黒)
インスタント
あなたは、"Contagion"のマナ・コストを支払うのではなく、あなたは1点のライフを支払うとともにあなたの手札にある黒のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
1体か2体のクリーチャーを対象とする。それらの上に-2/-1カウンターを2個、望むように割り振って置く。

"Force of Will"が出たので、同じピッチスペルである"Contagion"を紹介しようか。相手がクリーチャーデッキでないと活躍できないから、残念ながら汎用性という視点では"Force of Will"には敵わない。しかし、カード2枚を始末できる可能性を考えると、ハンドアドバンテージでは確実に損をする"Force of Will"より優秀だからね。"ネクロポーテンス"と一緒によく見るカードだった。


ピッチスペルは青と黒が強かったが・・・

Pyrokinesis"紅蓮操作/Pyrokinesis"
(4)(赤)(赤)
インスタント
あなたは、"Pyrokinesis"のマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある赤のカードを1枚、追放することを選んでもよい。
好きな数のクリーチャーを対象とする。紅蓮操作はそれらに4点のダメージを、望むように割り振って与える。

赤のピッチもクリーチャー対策カードだ。これが本体にもダメージが入ったなら、"Contagion"を大きく上回る評価だったろうね。しかし最大4枚のカードを持って行けるというのは魅力的だ。序盤に"極楽鳥""Spectral Bears"をまとめて焼き払えるならピッチで打つのも悪い取引ではない。この頃大量発生した兵士トークンも4つ焼ければ死期も遠のくから、私はデッキに2枚程入れていたものだよ。


Bounty of the Hunt"狩りの報奨/Bounty of the Hunt"
(3)(緑)(緑)
インスタント
あなたは、狩りの報奨のマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある緑のカード1枚を追放することを選んでもよい。
1体か2体か3体のクリーチャーを対象とし、それらの上に3個の+1/+1カウンターを割り振って置く。これによりあなたがクリーチャーの上に置いた各+1/+1カウンターについて、次のクリンナップ・ステップの開始時にそのクリーチャーから+1/+1カウンターを1個取り除く。

当時のスタンダードで使用されたピッチスペルの中では最も使用頻度が少なかったのがこの"Bounty of the Hunt"だ。かなり状況が整わないとカード3枚分以上の活躍は見込めない。それでも弱いカードとは言い難く、当時もう少しストンピィが活躍できる環境だったらもっと成果を残せたかもしれないね。環境が緑単には厳しい時代だったのさ。


Scars of the Veteran"古参兵の傷痕/Scars of the Veteran"
(4)(白)
インスタント
あなたは、古参兵の傷痕のマナ・コストを支払うのではなく、あなたの手札にある白のカード1枚を追放することを選んでもよい。
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを7点軽減する。次の終了ステップの開始時に、これにより軽減されたダメージ1点につき、そのクリーチャーの上に+0/+1カウンターを1個置く。

ピッチスペルでコイツだけ紹介しないというのも気の毒だからなぁ。ええと、"Bounty of the Hunt"は当時のスタンダードで使われたカードの中では低評価と言ったが、こちらはピッチスペルの中で唯一使われることがなかったカードだ。悪くない効果ではあるが、盤面に影響を与えにくい能力だからねぇ。他の4枚と比べると見劣りしてしまうかな。これが有用に働くファッティや、本体にきっかり20点のX火力を打ち込むコンボデッキが存在していなかったというのも逆風だった。


ピッチスペル以外も優秀なアンコモン達

Browse"拾い読み/Browse"
(2)(青)(青)
エンチャント
(2)(青)(青):あなたのライブラリーのカードを上から5枚見て、そのうちの1枚をあなたの手札に加える。残りを追放する。"

お次は青のエンチャント、"Browse"を紹介しよう。ライブラリーのトップ5枚から最高の1枚を選べる、という強力なメリットに対し、ものすごい勢いでライブラリーが擦り減っていく、いや、この速さは蒸発していく、という表現がいいだろう。墓地のカードをライブラリーに戻すカードと一緒に使いながらデメリットを軽減することで運用されていたね。


Lim-Dul's Vault"リム=ドゥールの櫃/Lim-Dul's Vault"
(青)(黒)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを見る。あなたが選んだ回数だけ、あなたは1点のライフを支払い、それらのカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、その後あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを見てもよい。その後、あなたのライブラリーを切り直し、これによりあなたが見た最後のカードをその一番上に望む順番で置く。

コンボデッキ向きのドロー補助カードがこの"Lim-Dul's Vault"だ。ハンドアドバンテージを得られない点は痛いが、4枚積みのカードなら2~3ライフでほぼ確実にライブラリートップに導けるだろう。ドローの質向上を低マナかつインスタントで実践できるこのカードは、青黒デッキならコンボデッキに限らず採用されていた。惜しむらくは、当時青黒デッキはシェア低めの勢力だったことだね。


赤いアンコモンはアーティファクト除去だらけ!

Primitive Justice"Primitive Justice"
(1)(赤)
ソーサリー
"Primitive Justice"を唱えるための追加コストとして、あなたは(1)(赤)と(1)(緑)の組み合わせを望む回数だけ支払ってもよい。
アーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。あなたが追加で支払った(1)(赤)1回につき、他のアーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。あなたが追加で支払った(1)(緑)1回につき、他のアーティファクト1つを対象とし、それを破壊し、あなたは1点のライフを得る。

この"Primitive Justice"は、アーティファクト除去としてはかなりの採用率だった。当時の環境では"氷の干渉器/Icy Manipulator"や、この後紹介する"Phyrexian War Beast"といったアーティファクトがよく見られ、2枚以上を対象にできるチャンスも少なくなかったからね。メインとサイド合わせて2~3枚の投入はよく見られたものだよ。


Gorilla Shaman"ゴリラのシャーマン/Gorilla Shaman"
(赤)
クリーチャー 類人猿 シャーマン
(X)(X)(1):点数で見たマナ・コストがXである、クリーチャーでないアーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
1/1

同じアーティファクト対策にあってスタンダードで活躍した"Primitive Justice"に対し、現在のエターナル相当だった「タイプ1」環境で活躍したのが"Gorilla Shaman"様だ。各種"Mox"やミラディンのアーティファクト・土地を破壊する手段として、今でも活躍中の1枚だ。起動型能力を持つクリーチャーの中では最優秀選手といっていいレベルではないかな。稀にフィニッシャーにもなれる点も評価したいね。


pillage"略奪/Pillage"
(1)(赤)(赤)
ソーサリー
アーティファクト1つか土地1つを対象とし、それを破壊する。それは再生できない。

高い汎用性とシンプルなテキストが魅力の"Pillage"は、歴代の土地破壊系スペルの中でもトップクラスの能力だ。土地破壊デッキでマナ・アーティファクトを破壊できるというのが実にいい。まさに「かゆいところに手が届く」といった感じだね。特に猛威を振るったのは、第6版に再録されたウルザブロック時代の赤茶単と呼ばれるデッキだが、アライアンス時代でも強力な土地が一気に増えたため、土地破壊以外のデッキでもよく使われた1枚だね。


高水準なクリーチャーを要する緑のアンコモン

Yavimaya Ants"ヤヴィマヤの蟻/Yavimaya Ants"
(2)(緑)(緑)
クリーチャー 昆虫
トランプル、速攻
累加アップキープ(緑)(緑)
5/1

ついに累加アップキープ持ちがスタンダードで活躍する日が来たんだ!この蟻は"アーナム・ジン""セラの天使"といった当時のエース級クリーチャー達と相討ちを取れるパワーを持っている。先制攻撃持ちは苦手だが、速攻のお蔭で攻撃してきた隙をついて手痛い一発をお見舞いできる。トランプルもいいねぇ。兵士トークンと相討ちでも、4点は本体に叩き込めるからね。"ボール・ライトニング"は赤単でないと運用が難しいが、こいつは緑単色でなくとも2回は殴れるだろう。私の好きな1枚だよ。


Deadly Insect"命取りの昆虫/Deadly Insect"
(4)(緑)
クリーチャー 昆虫
被覆
6/1

"Yavimaya Ants"に続いて、緑の虫をもう一枚紹介しよう。"Deadly Insect"は私の好きなプリズン系デッキでフィニッシャーとして採用されることのあった渋めのクリーチャーだ。ブロッカーとしても信頼出来るし、アタックに行ける状況になればあっという間に勝利をもたらしてくれる。そのお膳立てが大変なわけだが、クリーチャー除去の強い当時の環境では彼の活躍する場はあったんだ。


Elvish Spirit Guide"Elvish Spirit Guide"
(2)(緑)
クリーチャー エルフ スピリット
あなたの手札にあるElvish Spirit Guideを追放する:あなたのマナ・プールに(緑)を加える。
2/2

こいつもピッチスペルの範疇に入るかな。カードタイプはクリーチャーでありながら、基本的に場に出る機会はあまりない。"ラノワールのエルフ"より"暗黒の儀式"に近いかな。他のピッチとは違って緑のデッキでなくても採用できる点も面白い。ただ、最も向いているストンピィの勢力が小さく、コンボ系デッキも活躍していなかったため、なかなかの能力の割にトーナメントで見かける機会はそれほどでもなかったと記憶しているよ。


強力セットはコモンもパワフル

Arcane Denial"秘儀の否定/Arcane Denial"
(1)(青)
インスタント
呪文1つを対象とし、それを打ち消す。それのコントローラーは、次のターンのアップキープの開始時にカードを最大2枚まで引いてもよい。
次のターンのアップキープの開始時に、カードを1枚引く。

"Force of Will"と並ぶアライアンスの確定カウンター、"Arcane Denial"なんとコモンカードだ。どんなスペルでも対象に取れる上に軽量なコストは"対抗呪文"があった当時でさえ魅力的で、トーナメントシーンでよく見られたものさ。ただし、手札アドバンテージを失っているから注意が必要だ。確定カウンターでありながらシングルシンボルなので、多色系のデッキでの採用したこともあるよ。


guerrilla tactics"ゲリラ戦術/Guerrilla Tactics"
(1)(赤)
インスタント
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ゲリラ戦術はそれに2点のダメージを与える。
対戦相手がコントロールする呪文や能力によって、あなたがゲリラ戦術を捨てさせられたとき、クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。ゲリラ戦術はそれに4点のダメージを与える。

露骨な友好色への対策カードというのが珍しいね。赤の黒対策"Guerrilla Tactics"は、相手に手札破壊を強制されたときに誘発する効果を持ったカードの先駆けだ。相手が黒でなくとも最低限の働きはするので、第4版が落ちた後の"稲妻"枠に無理やり投入された時期もある。しかし最も輝いたのはやはり対ネクロディスクで、”Hymn to Tourach”"惑乱の死霊"でピックされると爽快だったね。


Phyrexian War Beast "Phyrexian War Beast"
(3)
アーティファクト クリーチャー ビースト
Phyrexian War Beastが戦場を離れたとき、土地を1つ生け贄に捧げ、Phyrexian War Beastはあなたに1点のダメージを与える。
3/4

スタンダードで活躍したコモンのアーティファクトクリーチャーというのはかなり珍奇だね。無色は汎用性の高さゆえ、デザインが難しいということだが、このカードはその網をかいくぐり世に出た稀少なカードだ。プロテクション持ちの騎士達や"Spectral Bears"を止め、"稲妻"で落ちない優秀なスペックが人気だった。当時はバウンス系のカードが活躍していなかったのも好条件だったね。当時のスタンダードのカードプール全体で見ると、3マナクリーチャーはなぜか優良カードが少なかったのも採用率アップにつながったようだ。

次回はアライアンス後篇、レアカードを紹介していこうと思っているよ。

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