ハルシオンのMTGブログ

MTGシングルカード通販ショップ「ハルシオン」のブログです。 http://mtg-halcyon.com/

2014年06月

今回、このトリ助・リオンが紹介するのは、クロニクルというちょっと変わったセットだ。このセット基本セット第4版の拡張セットという位置づけで発売されたため、第4版の使用可能なレギュレーションで使用可能だったんだ。全てのカードがアラビアン・ナイトからザ・ダークまでの再録カードだけで構成されていて、基本セットの再録カードとは違って各エキスパンション・シンボルがそのまま印刷されていた。ブースター封入枚数は12枚、レアリティも変則という、今から考えると何から何まで変わったセットだ。では早速、このカードから紹介しようか。


時代に愛された緑のナイス・ガイ

ErhnamDjinn"アーナム・ジン/Erhnan Djinn"

(3)(緑)
クリーチャー — ジン(Djinn)

あなたのアップキープの開始時に、対戦相手1人がコントロールする壁でないクリーチャー1体を対象とする。それはあなたの次のアップキープまで、森渡りを得る。

4/5

クロニクルで最も活躍したカードは、アラビアン・ナイト出身の"アーナム・ジン"だろう。仲良くアスレチックで遊んでいるマッチョな二人組が印象的な、緑のクリーチャーだ。4マナ4/5というなかなかのコストパフォーマンスに、ちょっとしたデメリットが書いてある。緑を使ったデッキではちょっと困る、相手クリーチャーに森渡りを与えてしまうというものだ。しかし、実態はほとんど問題にならなかったんだよ。

森渡りをつけるデメリットは、”森”をコントロールしていなければ関係ないだろう?その発想で作られたデッキがアーニーゲドンだね。"アーナム・ジン"のいる状況で"ハルマゲドン"を打ちデメリットを打ち消す、というコンセプトだ。それ以外にも、マナ・クリーチャーやペインランドを多用しデッキに”森”を入れないタイプもあった。ミラーマッチでは"極楽鳥"のようなマナ・クリーチャーを対象にしてしまえば良かったし、呪文や能力の多少になると死ぬ、というクリーチャーに対しては、何とメリットとして機能してしまったんだ。

ここで当時の同マナ域の緑クリーチャーと比較してみよう。"ウォー・マンモス"が3/3トランプル、"大蜘蛛"が2/4到達、同じパワーとタフネスを持つ"人喰い植物"は残念ながら防衛持ちだ。5マナを見ても"鉄の根の樹人族"が3/5バニラで、"ダークウッドの猪"が4/4トランプル。そんな中こいつは明らかに優秀だったね。回避能力も除去耐性もないながら、ほとんどの緑を使ったデッキで4枚採用されると言っていいレベルだったよ。まさに当時の環境の基準クリーチャーだったといえるね。

ちなみにこいつはアンコモン3というレアリティで、今のアンコモンに相当すると思ってくれ。数年後にジャッジメントというセットで再録されるのだが、その時は過去の実績が認められてかレアに昇格を果たした。が、時の流れは残酷でね、あれほど猛威を振るった"アーナム・ジン"は、スタンダードでお目にかかる機会は全くなかったんだ。クリーチャーの質が向上していて、回避能力も除去耐性もない4マナ4/5はお呼びじゃなかった、というわけさ。あの時は寂しかったものだよ。


多色デッキのマナ基盤を支えた特殊地形

真鍮の都”真鍮の都/City of Brass”

土地

真鍮の都がタップ状態になるたび、それはあなたに1点のダメージを与える。
(T):あなたのマナ・プールに、好きな色のマナ1点を加える。



クロニクルを代表するカードのもう一枚は、こちらもやはりアラビアン・ナイト出身の"真鍮の都"だ。記念すべきマジック界最初の5色ランドだよ。ニクスへの旅で登場した"マナの合流点"のご先祖様だね。アイスエイジのペインランドの元になったカードともいえるだろう。ペインランドには敵対色の組み合わせが存在していなかったから、敵対色デッキを組む場合は2色でもこのカードが使われることがあったね。

"真鍮の都"が本格的に活躍したのは、ビジョンズが発売され5CG5CBと呼ばれる5色デッキが登場してからだ。"知られざる楽園"というもう一つの強力5色ランドが登場したことにより、5色デッキが安定運用可能となったわけだ。それまでは有効色の2色デッキが主流で、3色以上は少なかったため大活躍、とまではいかなかった。5CG5CBが実績を残してからは多色デッキの要として様々なデッキで見かけることになる。以後5色土地の基本的なカードという位置づけを獲得し、その後長く基本セットに再録されるようになった息の長いカードだ。


クロニクルを飾ったカードたち

これ以外に活躍したカードをいくつか紹介しよう。

血染めの月

"血染めの月/Blood Moon"

(2)(赤)
エンチャント

基本でない土地は山である。



特殊地形対策カードの走りとして有名な"血染めの月"は、ザ・ダークからの再録だ。特殊地形の多い5CGのようなデッキにはよく効いたが、何といってもカウンター・ポストに対してはデッキコンセプトを脅かす能力を持っている。多くの白いデッキでエンチャントを壊す"解呪"は必須だったね。



大地の刃"大地の刃/Land’s Edge"

(1)(赤)(赤)
ワールド・エンチャント

カードを1枚捨てる:プレイヤー1人を対象とする。捨てたカードが土地カードである場合、大地の刃はそのプレイヤーに2点のダメージを与える。この能力は、どのプレイヤーも起動してよい。



レジェンド初出の、今は亡きエンチャント(ワールド)と印刷されたカードだ。今はワールド・エンチャントという呼び方らしいが、例えカード名が違ってもワールド・エンチャントであるなら線上に1枚しか存在できない、というものだ。そのワールド・エンチャントの中で数少ない実績のあるカードがこの"大地の刃"だ。"土地税"とのコンボでザ・ガンと呼ばれるデッキを生み出したが、残念なことに"土地税"が禁止カードになるとその役目を終えてしまったよ。


回想"回想"

(X)(X)(青)
ソーサリー

カードをX枚捨てる。その後これにより捨てられたカード1枚につき、あなたの墓地にあるカードを1枚あなたの手札に戻す。回想を追放する。



クロニクル発売当初、1枚制限カードという扱いで登場した墓地回収ソーサリーだ。レジェンドではレアだったがアンコモン相当に格下げされ再録された。当時タイプ1と呼ばれた、アルファから最新セットまで使用可能なレギュレーションだと、"Black Lotus""Time Walk"が使いまわされる、という懸念から1枚制限だったようだが、今のスタンダードであるタイプ2でもそのまま制限カードとされた。青いデッキを組む時は、折角の1枚制限カードだから、という理由でよく使っていたよ。


フェルドンの杖

"フェルドンの杖"

アーティファクト

(T),フェルドンの杖を追放する:あなたの墓地をあなたのライブラリーに加えて切り直す。



1枚制限カードといえば、アーティファクト専門セットであるアンティキティーから来た"フェルドンの杖"も忘れてはならないね。ライブラリーアウトを防ぐ効果しかないのに何故、と不思議だったが、もしかしたらあまりにデュエルが長引くのを予防するためだったのかもしれんね。ターボ・ステイシスのミラーマッチでは一発逆転のフィニッシャーとしても活躍できる、軽くて便利な1枚だ。


トーモッドの墓所"トーモッドの墓所"

(0)

アーティファクト

(T),トーモッドの墓所を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーの墓地のカードをすべて追放する。



そんな"フェルドンの杖"に対して効果的な妨害カードがこの"トーモッドの墓所"だ。ザ・ダークらしい暗鬱なイラストのカードだが、1枚残らず墓地を掃除するという効果は劇的だ。この頃は墓地利用に着目したカードが少なかったせいか、こんな低コストかつ無色でパワフルな効果をもってしまっている。果たして時のらせんにタイムシフトしてからのほうが活躍したようだね。


アシュノッドの供犠台"アシュノッドの供犠台"

(3)

アーティファクト

クリーチャーを1体、生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに(2)を加える。



無限マナのお供、"アシュノッドの供犠台"はコンボ好きにはたまらない1枚だろうね。アーティファクトが主題のアンティキティーらしく無色マナしか出さないが、実に人気のあるカードだった。新セットが出て仲間とカード批評をしていると、「○○と"アシュノッドの供犠台"があればコンボだよね」と誰かしらが口にしたものさ。このカードを使ったトーナメントレベルに達したデッキは少なかったが、それでもいくつかのコンボデッキは結果を残した。


ウルザランド

“ウルザの鉱山""ウルザの魔力炉""ウルザの塔"

ウルザの鉱山

土地 ウルザの鉱山

(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。あなたが”ウルザの魔力炉”と”ウルザの塔”をコントロールしている場合、代わりにあなたのマナ・プールに(2)を加える。


ウルザの魔力炉

土地 ウルザの魔力炉

(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。あなたが”ウルザの鉱山”と”ウルザの塔”をコントロールしている場合、代わりにあなたのマナ・プールに(2)を加える。


ウルザの塔

土地 ウルザの塔

(T):あなたのマナ・プールに(1)を加える。あなたが”ウルザの鉱山”と”ウルザの魔力炉”をコントロールしている場合、代わりにあなたのマナ・プールに(3)を加える。


3種類そろうと7マナを生み出すこの土地は、活躍したカード、という括りでいうと、こいつらは実はノー、なんだがね。こいつはアンティキティーからクロニクルに再録されていた当時は、、まったく実績を残せていない。"アシュノッドの供犠台"以上のファンデッキ用カードだった。時を超え第8版で再録され、ミラディン期にウルザトロンのキーカードとして活躍することになる。


Nicol Bolas"ニコル・ボーラス"

伝説のクリーチャー エルダードラゴン

飛行
あなたのアップキープの開始時に、あなたが(青)(黒)(赤)を支払わないかぎり、ニコル・ボーラスを生け贄に捧げる。
ニコル・ボーラスが対戦相手にダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分の手札を捨てる。

7/7
5体のエルダー・ドラゴン・レジェンドはおろか、クロニクルマルチカラーカードの中で唯一活躍したのが、この"ニコル・ボーラス"だ。後にプレインズウォーカーに出世を果たし、マジック界の悪役としていまだに人気のあるカードだ。マナ・コストも維持コストも強烈だが、ダメージが通ったら全手札破壊と効果の派手さも負けていない。当然レジェンドが出身だが、普段は墓地からやってくるため墓地出身といえなくもないかな。まあ、"真鍮の都"をもってしても、まともにキャストや維持をしようとは思えなかったね。


残念だった多色カードたち

この"ニコル・ボーラス"以外にも、レジェンドから多くの多色クリーチャーが再録されたのだが、そいつらが箸にも棒にも掛からぬ連中で困ったものだったよ。もっとも、弱い伝説のクリーチャーだけを選りすぐって再録したわけではなく、レジェンドの伝説のクリーチャー全てがかなり厳しい性能だったわけだがね。自分のコントロールする土地枚数をパワー、タフネスにする"黒き剣のダッコン"や、タップだけでクリーチャーを奪える"魂の歌姫ルビニア"は実績は残していないもののいくらか人気があったかな。


アラビアン・ナイトのような古いセットを手に入れることが出来なかった私は、古いカードに強い憧れをいだいていたものさ。クロニクルはそんな憧れを少し満たしてくれた良いセットだったと思う。時のらせんのタイムシフトも似たような意味合いがあっただろう。古いカードは今のカードからは考えられないほど弱かったり、あるいは逆に強すぎたりするわけだが、それもマジックの歴史だからね。そうした過去を知り、興味を持てばマジックはもっと魅力的なものになるんじゃないかな。

どうも。この前公式サイト見たらガラクがめっちゃ黒くなっててびびってるJ也です。もう緑単色のPWはニッサしか残らないのでしょうか…

まあそれはともかく、今回はタイトル通りに星座について考えていきたいと思ってます。

星座というメカニズムはニクスへの旅から登場したシステムであるため数自体は非常に少ないのですが、それでもプロツアーニクスへの旅でのブロック構築では星座デッキが準優勝するなど、充分構築で組める程度には使える能力だと思います。

星座の特徴としては、単体ではあまり効果が薄いが、逆に複数枚集まれば相乗効果でどんどん強くなるというものが挙げられます。そのため、星座を上手く使おうと考えるなら、

単体でも充分強いカードを軸にエンチャントを入れていく

単体では弱いものを大量に展開して星座を複数回誘発させていく

の二通りのものが考えられるのではないでしょうか。

ということで、これを念頭に置きながら星座持ちのカードを見ていきましょう。


まず白では、収穫守りのアルセイドと空封じの二枚のみ。lDm0yUijti_JP アルセイドは殴ること自体に意味があるカード、例えば大隊持ちや悪意に満ちた蘇りし者なんかとは相性が良いとは思えるのですが、空封じは非常に評価に困るカードです。ブロッカーの排除やTIPCIPの使いまわしなんかを考えても、今のところはそこまで相性が良いと言えるものは思いつきません。面白いテキストのカードなのでなにかしら使い方が発見されれば化けるかもしれませんが、なかなか難しそうです。

また、白には星座持ち以外にも星座と相性が良い物が沢山あります。払拭の光や拘留の宝球は星座を誘発させれる除去ですし、天上の鎧もかなりのパワーアップが期待できます。hwbawl0ko5_jp また、安全の領域という最高に星座と相性の良い物があります。なんならこれだけで詰むデッキだって存在するくらいです。

青はタッサの貪り食い急流のナイアードの二種類。貪り食いは青白の安全の領域星座デッキに入れればものすごい勢いでデッキを削りそうな予感。ナイアードはタッサで良いやって言われそうです。どうしても同じ能力持ってると比較されますね。スペックは高いんですが、タッサのほうが使いやすいと言われるとどうしようも無いです。

次は黒。eNiAczBTqg_JPまずエレボスの代行者はまあドレッジ対策のカードで複数回誘発させる意味が無いなので置いといて。破滅喚起の巨人、戦慄運びのランパード、厳かな守護者、精神感化のラミアとそれなりに枚数があります。

破滅喚起の巨人は4/6という絶妙な数字に星座でマイナス修正をばら撒くというなかなかな能力持ちです。マイナス修正はエルズペスのトークン滅法強く、複数回起動できれば信心系のデッキは根こそぎ信心持ってかれて崩壊する可能性もあります。流石に重い為これに頼り切ったプレイはできませんが、充分仕事の場があるカードです。 iDtJImX4n0_JP厳かな守護者は地味なこと書いてますがナイスカードです。特に複数枚並んだときの強さは半端なく、1/4で守っているように見えるのにライフも詰めているという状況が容易に発生します。ランパードは色が違うとはいえナイアードより弱いのが残念。黒の威嚇付与ならもっと使いやすくて速いものがあるのもマイナス。ラミアは強いのは強いですが、マナコストが舐めているとしか思えないです。瞬速エンチャント沢山入れてドローを全部叩き落とす、なんて芸当もできますがスタートが6マナなのはいただけない。

また、色を足せば死の国の造幣工というものもあります。星座能力自体は弱いですが、最後の一押しができることは非常に評価が高いです。

赤はなんと炉生まれのオリアードのみ。星座デッキにタッチで差し込むにはマナシンボルが厳しいところがありますが、除去にも本体火力にもなるので充分使えます。

そして星座といえばこの色、緑です。Vw0G6UVDAj_JP 最強の星座カード、開花の幻霊に始まり、黄金皮の雄牛、定命の者の大敵、樫心のドライアド、倒れた者からの力とそれなりのカードが揃ってます。

開花の幻霊倒れた者からの力は使い方が簡単です。前者はドローエンジンとしてエンチャント多めのデッキに、後者はドレッジにちょろっと挿しておくだけ。また、この二枚は単独で見てもなかなかの強さなので、あまりとがった構成を考えなくてもそれなりの仕事はしてくれます。後の三枚はカードとしての強さは微妙ですが、雄牛は接死を突撃させ、ついでに大敵が接死トランプルにしつつドライアドが通るダメージを増やすと、接死との相性はかなり良いです。それぞれ単品としての強さは残念ですが、並べばそこそこではないでしょうか。

jsd8otoouc_jp また、最高クラスの星座支援カード、マナの花が存在する上に、エンチャントにしてフィニッシャーの原始の報奨まで存在するということも星座デッキを組む上では考慮するべきでしょう。また、星座とか関係無しに普通に神々の軍勢のトップレアの一角に居座るクルフィックスの狩猟者なんてカードがつかえるのも緑の利点。さすがはモダン級のカードです。


さて、それではいつものように組めそうなデッキを考えてみましょう。

まずは青白の星座ライブラリーアウトデッキ。VaLWVZ7fqO_JP 宝球と払拭の光を全八枚積み、安全の領域で攻撃させないようにして貪り食いでデッキを攻める。黒を足して死の国の造幣工やアショク、脳蛆を入れるなんてのも有り。

次が黒系の星座授与アグロ。節くれの傷皮持ち、悪意に満ちた蘇りし者、責め苦の伝令という授与クリーチャーに厳かな守護者で積極的にライフを攻めるタイプです。授与があること、厳かな守護者で間接的にライフを狙えることから、ある程度の長期戦にも耐えれるようになってます。

また、このタイプは色を足せばまた違った軸のデッキができます。例えば白を足してイロアスの英雄や万戦の幻霊を入れれば授与メインのアグロに、死の国の造幣工やオブゼダート、灰色商人なんかを足してブロッカーを無視してライフが詰めれる構成にするなんてのも面白いかもしれません。赤を足してモーギスの軍用犬などを入れてよりアグロにする、炉生まれのオリアード入れてエンチャント出すたびにダメージを与える構成にするなんてことも考えられます。元がアグロにも中速にも動けるデッキなので、どう調整するかで雰囲気がどんどんかわっていきますね。

そして大本命、緑黒の星座デッキ。VSGCafGR68_JP 豊富な黒除去に加え、脳蛆やクルフィックスの狩猟者という単純に使いやすいエンチャントクリーチャー、地下世界の人脈というドローソースエンチャントと、星座以外のカードが非常に優秀です。開花の幻霊だけ入れてアドバンテージを稼ぎながら荒野の収穫者や冒涜の悪魔でフィニッシュするパターンや、破滅喚起の巨人やファリカまで入れてエンチャント軸のコントロールなんてパターンもあります。なんならドレッジに星座要素混ぜるだけでも充分強い。基本的には緑の星座カードは一枚出てきたらそれへの対処を迫るものが多い為、雑に使ってもそれなりに戦えます。


とまあ、こんな感じでしょうか。

次の環境ではエンチャントに対するヘイトが尋常じゃなくなると思いますので、エンチャント軸のデッキは今のうちに組むのが良いかと思います。

ということで、以上、J也でした。

前篇はこちらから

アイスエイジのトップレア

そんなアイスエイジの中で長らくトップレアの位置にいたのが”道化の帽子/Jester's Cap”だ。

Jester's Cap

“道化の帽子/Jester's Cap”
(4)
アーティファクト
(2),(T),道化の帽子を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーのライブラリーからカードを3枚探し、それらを追放する。そのプレイヤーは、自分のライブラリーを切り直す。


このカードが効果的に働くのは展開の遅いデッキか特定のカードに頼ったコンボデッキの場合だろう。直接盤面にアドバンテージをもたらさないこのカードがトップレアだったということが、アイスエイジ時代の環境の遅さを物語っているね。メインデッキに4枚投入されることはまずなかったが、アーティファクトなので多くのデッキで使われることとなり、結果価格が高騰したようだ。スタンダードでアイスエイジが使えた時代では"ネクロポーテンス”"永劫の輪廻”よりも高かった。

”道化の帽子”には敵わないが、人気があったのは5種類の友好色ペインランドだろうね。2色の色マナを出せるが、1ダメージを食らってしまうというあれだ。その後長らく基本セットにも顔を出すことになるペインランドたちは、このアイスエイジが初出だ。当時はカウンターポストが流行していて、青白の"アダーカー荒原”が人気だったね。他にもアーニーゲドンの白緑用”低木林地”や、ステロイドの"カープルーザンの森”がよくトレードされていた。黒赤の"硫黄泉”や青黒の"地底の大河”エンチャントやアーティファクトに対処できない色の組み合わせだったせいか、やや人気で劣っていた。

ダメラン


トーナメントで活躍したレアカードたち

その他の有名レアを駆け足で紹介していこう。

Jokulhaups

“ジョークルホープス/Jokulhaups”
  (4)(赤)(赤)
ソーサリー
すべてのアーティファクトと、すべてのクリーチャーと、すべての土地を破壊する。それらは再生できない。



当時最高の破壊力を持ったリセットボタン、"ジョークルホープス/Jokulhaups”。”神の怒り”"ハルマゲドン”+"粉砕の嵐”でたった6マナなので、破格のマナ・コストといえるだろう。"土地税”だけが場に残り、後はきれいさっぱり、という光景に出くわしたこともあるね。


Pox“悪疫/Pox”
(黒)(黒)(黒)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分のライフの端数を切り上げた3分の1を失う。その後各プレイヤーは自分の手札にあるカードの端数を切り上げた3分の1を捨てる。その後各プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーの端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。その後各プレイヤーは自分がコントロールする土地の端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。

“悪疫/Pox”は黒いコントロール系カードの中でもかなりパワフルだ。端数切り上げなので、クリーチャーや手札が2の場合は、半分を持って行けるという理屈だ。自分への影響も大きいので気軽には使えないが、上手く使えば大きなアドバンテージを得られるレアらしいカードだったよ。ただし、ライフ損失が大きいので"ネクロポーテンス”と一緒に使うというのは難しかったようだね。加えて言うと、これもテキストが長くて手ごわかった。


Blinking Spirit


“またたくスピリット/Blinking Spirit”
(3)(白)
クリーチャー スピリット
(0):またたくスピリットをオーナーの手札に戻す。
2/2


サイズの割にコストが重いクリーチャーだが、マナを消費せず手札に帰れるので除去にめっぽう強く"神の怒り”を打つデッキとの相性が良いのも幸いして白いコントロール系デッキで見かけられたクリーチャーだ。前述の"ジョークルホープス”と一緒に使われたこともある。その後何度か基本セットにも再録されているね。思いのほか飛んでいない点には注意だ。


Stormbind


“嵐の束縛/Stormbind”
(1)(赤)(緑)
エンチャント
(2),カードを1枚無作為に選んで捨てる:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。嵐の束縛はそれに2点のダメージを与える。


これは以前にも紹介したことのある、高性能な繰り返し使える除去だ。無作為に手札を捨てるというコストが珠に傷だが、手札が全て除去兼直接火力になるというのは大きなプレッシャーをかけられるため、ゲームを有利に進めやすくなるパワーカードだった。


まさかの優良レア

高値とは言えないが、面白いレアカードとしては"オークの司書/Orcish Librarian”なんていうのがいたね。ちょっとおっちょこちょいそうなオークが、食欲に負けた様子を描いたイカしたイラストが印象的なレアカードだ。

Orcish Librarian“オークの司書/Orcish Librarian”
(1)(赤)
クリーチャー オーク
(赤),(T):あなたのライブラリーのカードを上から8枚見る。それらのうちの4枚を無作為に選んで追放し、その後残りをあなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。
1/1


当時は冗談みたいな能力だと思っていたので、実は有用な能力だと知った時には驚いたものだ。追放される4枚は最初から引かなかったカードだと考える。4枚のカードを自由に並べ替えられる能力が継続して使えるなっていうのは、赤でありながらドローの安定性を高められるなかなかの効果と評価できるだろう。


レア以外の強力カード

アイスエイジの魅力はレアばかりではない。"水流破””紅蓮破”といった色対策カードはコモンだし、それまでアンコモンとして基本セットに収録されていた"対抗呪文”が初めてコモンとして再録された。また赤の優良火力である"火葬”アイスエイジのコモンが初出だ。アンコモンには最強除去”"剣を鍬に”や優良アーティファクトの”氷の干渉器”が再録されていたし、制限カードの”Zuran Orb”もアンコモンだ。そして何より、最強サーチカードの"Demonic Consultation”がある。

Demonic Consultation“Demonic Consultation”
(黒)
インスタント
カード名を1つ指定する。あなたのライブラリーのカードを上から6枚追放する。その後あなたが指定したカードが公開されるまで、あなたのライブラリーの一番上のカードを公開し続ける。そのカードをあなたの手札に加え、これにより公開された他のすべてのカードを追放する。


最初の6枚に必要なカードが出きってしまうと、そのままライブラリーが吹き飛ぶ、というハイリスクなカードだ。だがさっき"オークの司書”のときにも話した通り、追放するカードは引かなかったと思えばいい、という理屈でライブラリーをどんどん追放していき、その時必要なカードを手に入れるためのカードだね。1枚しかデッキに入っていないカードに対して使うのは危険すぎるが、デッキに4枚入っているカードに対してはある程度安心して指定できる。直接手札に入る、インスタントであるという点が特に評価される超強力カードだ。


氷河期の厳寒を知れ!

さて、話しは変わるがね、まずはこのカードを見てほしい。

Lightning Blow

“Lightning Blow”
(1)(白)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで先制攻撃を得る。
次のターンのアップキープの開始時に、カードを1枚引く。


良くあるタイプのコンバット・トリックだね。パワーが上がらないのはちょっと寂しいが、限定構築などでは良い働きをすることもあるだろう。ドローが次のアップキープ、というのはビジョンズまでの常識で、即時的にカードが引けるキャントリップはウェザーライトからなんだよ。さて、次のカードを見てくれ。

Gravebind

“Gravebind”
(黒)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。このターン、それは再生できない。
次のターンのアップキープの開始時に、カードを1枚引く。



これはどうだろう。限定構築であってもなかなか有効に活用できる機会のなさそうな効果だ。1マナでカードが引けるから、という理由でデッキに入れることもあるだろうか。しかしデッキ圧縮効果だけを狙って選ぶにしても、もう少し他に選択肢があるような気がするね。ではもう一枚だ。

Trailblazer

“Trailblazer”
(2)(緑)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。



緑が敵対色である青っぽい効果を狙ったが故の”当然の酬い”だろうか。いくらなんでも効果に対してマナ・コストが高すぎると感じざるを得ない。キャントリップもないし、ちょっとデッキに入れるのがためらわれる。これを入れるなら"森”を増やした方が間違いないのではと思ってしまうよ。まあ、こんなカードもあったんだ。

さて、これらのカードには、実は隠された共通点がある。まずすでに述べたとおり、アイスエイジのインスタントであり、そして驚くべきことにこれらは全てレアカードなんだ。・・・これがレアだと!ふざけるな!

レア・カードなんだ・・・よ。いや、すまん、取り乱してしまった。

どんなセットにも弱いレアカードはある。全てのカードを強くするだなんてできないから、それは当然のことだ。しかし、レアらしさ、とでも言えばいいかな。コモンカードにはないような、よし、このカードを軸にデッキを作ってみよう、と思わせるような魅力を持つカードが今のレアカードだと思っているよ。

しかし、こいつらはどうだろう。"Gravebind”を中心に据えたデッキを作ろうと思ったデュエリストは、おそらく世界に"Black Lotus”のマナ・コストと同じ程度しかいないだろう。デッキに"Trailblazer”を4枚入れていたおかげで勝ったデュエルの数は、"Time Walk”で得られるターン数より少ないのではないかと予想するよ。

・・・時代ってやつかね。とにかく、レアが厳しいんだ、アイスエイジってヤツは。普通の感覚ではまさかレアだとは思えないようなカードが目白押しだ。効果が派手で弱い分には単にカスレアとして納得できるんだが、今紹介したようなとてもレアとは思えないようなカードが本当に多い。しかも、エキスパンション・シンボルを見てもレアリティ区分が分からない。レアリティで色が付いたのはエクソダスからなので、それまでは封入されている位置でレアリティを推測するほかなかった。私の世代のデュエリストは、このアイスエイジを開封することで"精神鍛錬”を重ねていったといえるね。

Lhurgoyf他にも3マナ2/2で沼渡りを持つだけのトカゲ、その相方の島渡りをもつ熊、タップで1点軽減効果を土地に付与するエンチャント(土地)など、ちょっと我慢ならないようなレアカードが・・・緑、こいつら全部緑だ!特に緑がひどい。いや、緑は"ルアゴイフ”だけが一人気を吐いていた。青の方がひどいな。とにかく、地味だったり、複雑すぎたり、限定的な効果しかなかったり、やたら弱かったりと激弱なレアがてんこ盛りのセットだ。それに気づくまで、本当に"精神的苦悶”の連続だったよ。さすが氷河期がテーマなだけあって、レアが極寒というわけさ。


こうやって精神が鍛えられた私だが、その後もミラージュプロフェシー厳しい洗礼を受けることになる。それでもカスレアの平均水準がアイスエイジを下回るということはなかったね。いや、きっと未来永劫、ないだろう。全体で見れば良いレアカードもそれなりにあるセットだが、カスレアの水準というものもセットを評価するときの捉え方として頭の片隅に置いてくれ。それがアイスエイジを知る者からのアドバイスだよ・・・。

どうも、J也です。

コンスピラシー発売されましたね。僕も一度やってみましたが、非常に楽しかったです。感想としては、多人数戦という都合上一卓で一戦しかせず、その為サイド交換も無く、デッキを圧迫しない策略カードが単純に強いという感じでした。MtGやる人間が8人集まる環境にいる人は一度やってみてはどうでしょうか。


さてさて、それでは今回の本題。

今回は、神々の軍勢から出てきたメカニズム、神啓について考えていきたいと思います。

この神啓というシステム、英雄的以上に使いどころが難しく、かつ専用の構築にしないとうまく回らなそうです。

なんといっても、①神啓もちをタップする ②神啓持ちをアンタップする この手順を踏んでようやく効果発揮というのがなかなか手間で、相手に除去するタイミングをいくつも与えているのが厳しいです。まだタップにはバネ葉の太鼓がありますがアンタップはなかなか難しい。それを踏まえて、神啓の使い方について色々考えていきましょう。

ではまずカードにどんなものがあるか。白から見ていきましょう。

KWeUHrqwJh_JP 白はなんと神に寵愛された将軍、オレスコスの太陽導きの2枚しかありません。将軍の方は白お得意の全体強化エンチャントと相性が良いので白ウィニーのようなデッキからお呼びがかかるかもしれませんが、特化させるというより神啓できたらラッキー程度のデッキ構成になると思います。太陽導きはリミテッドでは強いですが、構築でただの熊に居場所は無いでしょう。

青には果敢な泥棒、理想の調停者、高巣の崇拝者、深海の催眠術師、スフィンクスの信奉者があります。コモンアンコモンの三枚は構築で使うとしたらちょっとカードパワーが低いですね。あえて使うとすると高巣の崇拝者の生み出すトークンがエンチャントというところを利用するくらいでしょうか。構築よりもむしろリミテッドで重要な知識ですが。理想の調停者は動き出せば簡単にアドが取れる上に星座とも相性良いです。問題は重いことと肝心のエンチャントは場に出せないことでしょうか。9yK78SGY1k_JP 果敢な泥棒はリミテッドでもそうですが構築でも嵌れば強いです。特にエンチャントは狙い目で、拘留の宝球や地下世界の人脈はコントローラーが変わっても問題ないので、どんどん交換しましょう。仮想的としてはクルフィックスの狩猟者や神器、神あたりでしょうか。

また、青には複数のアンタップ手段があることも重要なポイントです。トリトンの戦術、タッサの激憤、保護色、水跳ねの海馬など、テーロスブロックだけでもそれなりにありますが、個人的には前回も紹介した見えざる糸なんかも強いように思えます。攻撃が通ればそのまま暗号誘発、アンタップして神啓誘発という流れは綺麗なものではないでしょうか。色を足せばキオーラの追随者やクルフィックスの予見者、ラル・ザレックなんかも。このへんは素でそれなりのスペックを持っているのが強みですね。

O9YGCX76EK_JP 黒も神啓は強めです。絶望の偽母、ティマレットの召使い、モーギスの戦詠唱者、苦痛の予見者黄金の呪いのマカール王とありますがが、特にレアの二枚が強い。どちらのカードも神啓したらわかりやすいアドを取るため、普通に使いえると思います。現に今でも苦痛の予見者なんかは早めの対処を迫るカードとして黒がらみのアグロデッキに入っているのを良く見ます。

色を足せばもうちょっと選択肢が増えます。欺瞞の信奉者や静寂の歌のセイレーンなんかは軽い上に強いこと書いてある二枚なので、神啓デッキの主軸を担ってくれるカードです。Vvei7aW4P0_JP特に 欺瞞の信奉者は不要になった二枚目以降の欺瞞の信奉者やその他カードをカウンターに変換する動きなどを取れるのが優秀です。思い切ってマナ域しぼってシルバーバレットみたいなものを組むのも面白いかもしれません。

緑はフィーリーズ団の略奪者、フィーリーズ団の精鋭兵の二枚のみ。壮大な英雄譚や蛮族の血気などのインスタントタイミングでのアンタップ手段をいくつか持つ色なのにこれはちょっともったいない。青と組めば更に色々とアンタップ手段も増えますが、それでも神啓持ちのカードは青がメインになるでしょう。

YE2fRYjttn_JP赤は悪魔の皮の魂結び、クラグマの解体者、サテュロスのニクス鍛冶の3枚。個人的に好きなのはニクス鍛冶ですね。手札消費なしに3/1速攻が増えるのは赤系のアグロには非常に嬉しいところ。悪魔の皮の魂結びはなにか色々悪さができそうなのですが実際はどうでしょう。オレリアと組んでマナのある限り無限アタックとか考えましたが、本当にできるのかルールがあやふやだったしできたとしても肝心のオレリアの攻撃が通らない上に墓地に行っちゃうので諦めました。こういうコンボは組むのが難しいですよね。

と、神啓持ちの紹介はこんな感じでしょうか。

今度はそれらの組み合わせの色を考えてみましょう。

まず考えられるのはやっぱり青黒。欺瞞の信奉者、静寂の歌のセイレーン、苦痛の予見者などの軽量神啓を沢山積んで、除去で道をこじ開けつつ小さくダメージを刻んでいく感じですね。相手次第ですが、果敢な泥棒+地下世界の人脈のコンボ(?)も狙えますね。神啓持ちの多い二色の合わせ技の為、選択肢はそれなりにあると思います。

次は青緑系。アンタップ手段の豊富なカラーリングです。二色だけならそこまで良さそうな神啓は無いですが、例えば白を足せばエンチャント除去や神に寵愛された将軍のトークンなど果敢な泥棒の弾が沢山増える為、インスタントタイミングでパーマネントを交換するのをテーマにしたデッキなんかが面白そうです。それ以外でも赤を足せば魂結びで出たトークンを交換だとかラルを入れてなんらかの悪さを狙うだとか、神啓をギミックに組み込んだコンボ系のデッキが考えられそうなカラーリングです。

他では赤黒。青黒が若干コントロール寄りに動ける神啓としたら、こちらはそのまんまアグロに動く神啓です。普通の赤黒アグロに比べるとスピードは下がりますが、その分神啓クリーチャーでリソースの消費を絞っていくかんじですね。


とまあこんな感じでしょうか。

神啓というキーワードが登場したのが神々の軍勢からなうえにニクスへの旅ではほんの数枚しか収録されないといういじめを受けたキーワード能力ですが、それでも面白いデッキはいくつかつくれそうです。

ではでは、J也でした。

アイスエイジはマジック初の独立型エキスパンションで、ブースターパックだけでなくスターターボックスという60枚入りの小箱での販売もされていたんだ。初めて基本セットとは違う絵柄の基本地形が登場し、これを使うのはちょっとしたお洒落だった。氷河期を舞台としたセットだけあって、涼しげなイラストが熱いデュエルに一服の清涼をもたらしてくれたものさ。

plainsイラストが連続していてお洒落


氷雪地形はイマイチだった

アイスエイジのテーマとして、氷雪地形を利用したカードというものがあったね。基本土地の一種で、氷雪森とか氷雪島とかあったわけだ。それに付随して、様々なカードに氷雪土地を利用したり参照したりするようなカードが存在していたんだが・・・。こいつらがどいつもこいつもポンコツなんだよ。トーナメントで活躍したカードはないと言っていい。強いて言えばGlacial Crevassesという赤いエンチャントが使われていたかな。ただし、このカードは現代の常識からはかなりかけ離れたカードだ。

Glacial Crevasses

Glacial Crevasses
(2)(赤)
エンチャント
氷雪山を1つ生け贄に捧げる:このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する。



能力だけ見れば、まあ、こんなカードもあるかな、といった感じだが、このカードはまさかの赤だ。赤いカードなのに防御専用の効果を持つという、かなり個性的なカードといえるだろうね。一部の低速な赤いデッキに使用されていた。ついでに言うと、こんな良く似たカードも存在していた。

Sunstone

Sunstone
(3)
アーティファクト
(2),氷雪土地を1つ生け贄に捧げる:このターンに与えられるすべての戦闘ダメージを軽減する。



ちなみにGlacial CrevassesがレアでSunstoneはアンコモンだ。起動マナの要不要や生贄にできる氷雪土地の違いがあるが、なぜこんな似たカードを同じセットに収録したのかは謎だ。氷雪土地に関するカードははるか後になって発売されるコールドスナップというセットで大幅に補強されるが、正直言ってアイスエイジだけでは折角の新要素を活かしきれていなかった感があるね。


ゆっくり累加アップキープしよう

アイスエイジはゆっくりした環境だったのだが、その原因はこのセットのキーワード能力である累加アップキープがかもしれないな。これはパーマネントのアップキープにマナやライフの支払いを要求するものだが、毎ターン支払いコストが増えていってしまうんだ。例えば累加アップキープ(2)と書いてあれば、最初のアップキープには2マナ支払うだけでいいんだが、次のターンは4マナ、その次は6マナ、という具合に維持コストが増えていってしまう。こうしたカードが多くあり、かつ活躍できるような環境を整備するには、全体的にカードパワーを下げて環境を遅くするのがベストだったのだろう。

正直言って、累加アップキープのあるカードで大きな活躍をしたカードは少ないのだが、いくつか紹介しよう。

InfernalDarkness

Infernal Darkness
(2)(黒)(黒)
エンチャント
累加アップキープ (黒),1点のライフを支払う。
土地がマナを引き出す目的でタップされた場合、それは他のいかなるタイプのマナの代わりに(黒)を生み出す。


黒単色デッキ相手には効果がないが、それ以外のデッキには強烈なマナ拘束手段となるカードだ。当時のスタンダードで、トーナメントデッキのサイドボードに入っていたこともある稀少な累加アップキープ持ちカードだよ。

Glacial Chasm

Glacial Chasm
土地
累加アップキープ 2点のライフを支払う。
Glacial Chasmが戦場に出たとき、土地を1つ生け贄に捧げる。
あなたがコントロールするクリーチャーは攻撃できない。
あなたに与えられるすべてのダメージを軽減する。


この頃までたまに見かけられたマナの出ない土地で、その中でも実用的な部類のカードだ。デメリットの大きさが目立つが、それ以上にあらゆるダメージを軽減できるというメリットが凄まじい。こんな能力なのに、このカードはアンコモンなんだよ。小難しい使い方はせず、遅いデッキが1~2ターンしのぐ目的で使われることがあったかな。


IllusionsofGrandeurIllusions of Grandeur
(3)(青)
エンチャント
累加アップキープ(2)
Illusions of Grandeurが戦場に出たとき、あなたは20点のライフを得る。
Illusions of Grandeurが戦場を離れたとき、あなたは20点のライフを失う。


Donateおそらく世界一有名かつ強力な累加アップキープを持つカードだろう。スタンダードでアイスエイジが使えたころは全くのカスレアだったが、ウルザズ・デスティニー<寄付/Donate>というカードが誕生してから評価がひっくり返った。自分が20ライフを獲得した後、<寄付>を使い相手に送りつけるんだ。Illusions of Grandeurをバウンスしたり、あるいは放っておけば累加アップキープが支払えなくなって勝手に場を離れてくれる。キーカードが2枚しかない即死コンボデッキの誕生ってわけだ。


何て書いてあるのか分からないカードたち

NecropotenceこのIllusions of Grandeurと一緒に活躍したのが、同じアイスエイジの黒いレアである<ネクロポーテンス>だ。このカードについては以前話したことがあったね。あっという間に必要なカードを集めてくれる、超強力ドローエンジンである<ネクロポーテンス>は、本来ドローが得意な色の青だけで完結するIllusions of Grandeur<寄付>のコンボデッキにあって、黒なのに中核カードとして活躍した。結果、このデッキはネクロドネイトと呼ばれるまでになったんだ。あまりにも隆盛を誇ったため、最終的には<ネクロポーテンス>自体が禁止カードになってしまった。

その<ネクロポーテンス>の特徴が、やたらと細かい字で書かれたルール・テキストだ。とにかく英文が長くて、滅多に出てこないような単語もあり、どんなカードか理解するのにも苦労した。最後の一文ではご丁寧に"このライフの損失は軽減したり移し替えたりできない"だなんてルールの解説までしてくれている始末だ。アイスエイジには日本語版がなかったし、今のようにインターネットも充実していなかったので、このカードの正しい効果について理解したのはディープ・マジックという書籍が出版されてからだったと思う。この本は当時唯一、アイスエイジまでの全カードが日本語訳付きでリスト化されていて、そりゃもう狂ったように読んだものだよ。

英文が長いカードをもう一つ紹介しよう。今のオラクルの文章も長いのだが、当時の雰囲気を味わってもらうために私がカードの英文を訳してみるよ。

Dance of the DeadDance of the Dead
(1)(黒)
エンチャント(死んだクリーチャー)
いずれかの墓地にあるクリーチャーカードを、あなたのコントロール下で、タップ状態かつ、+1/+1カウンターを乗せた状態で直接場に出す。そのクリーチャーは召喚されたばかりであるかのように扱う。このクリーチャーはコントローラーのアンタップフェイズにアンタップしない。コントローラーのアップキープフェイズの終了時に、このコントローラーはこのクリーチャーをアンタップするために(1)(黒)を支払ってもよい。もしDance of the Deadが場を離れたなら、このクリーチャーをオーナーの墓地に埋葬する。

アンタップフェイズだのアップキープフェイズだの、それに埋葬だなんて古い言葉が目白押しだね。まあ、とにかく、要は墓地からクリーチャーを釣ってくるカードなんだがね。とにかく文章が長くて、字が小さい。しかも全部英語だ。<ネクロポーテンス>のような効果の分かりづらさはないものの、最初に見たときは読むのが大変だったものさ。面白いカードなので良く使ったし、今でもヴィンテージ環境で使われるカードの一つだそうだ。


トリスケリオンとのコンボを見せた強力カード

もう一つテキストが難しい、アイスエイジを代表するカードを紹介しよう。いやあ、ははは、このカードは何と<トリスケリオン>を使ったコンボデッキに使われたという、まさにこのトリ助・リオン一推しの、アイスエイジ最高レアカードだ!大人気だったせいか時のらせんのタイムシフトカードでもあるので、君も聞いたことがあるかな。当時のテキストをそのまま訳すとこんな感じだ。

EnduringRenewal永劫の輪廻/Enduring Renewal
(2)(白)(白)
エンチャント
あなたは手札をテーブル上に公開した状態でプレイする。あなたがクリーチャーカードをライブラリーから引くとき、そのカードを捨てる。クリーチャーが場からあなたの墓地に行くなら、そのクリーチャーをあなたの手札へ戻す。


Dance of the Deadと比べるとテキストが短いが、当時の私にはちょっと難解な文章だった。そもそも、死んだクリーチャーが手札に戻るエンチャントが存在する、なんて常識から外れた効果が理解を妨げていたんだろう。

トリスケリオン最初は使い方が分からなかったが、コンボデッキで活躍した。クリーチャーを生贄に捧げると2マナを生む<アシュノッドの供犠台>と0マナアーティファクト・クリーチャーで無限マナを出した後、<トリスケリオン>のダメージで勝つ、というものだ。なに、無限マナが出ているのだから何も<トリスケリオン>でなくてもいいだって?まあ、確かにそうだ・・・。テンペストが発売されると、このデッキは<トリスケリオン>が抜けてしまった・・・。


何度も死んでいく。不憫。


後半に続く

このページのトップヘ