ハルシオンのMTGブログ

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2014年05月


この私、トリ助・リオンがマジックを始めたころ、良く剥いていたパックはフォールン・エンパイアとういセットだった。当時の私はカードセットだとかレアリティだとかは気にせず、とにかくパックを買って面白そうなカードがあれば使う、という純粋無垢な楽しみ方をしていたものだよ。インターネットもシングルカードショップもなく、どのカードが強くて高額なのか、なんて興味すらなかったさ。まあ、フォールン・エンパイアに関してはそんな事を気にする必要がなかったのだがね。強いカードが軒並みコモン、という当時の私のような学生に優しいセットだったんだ。

サーペイディア帝国の衰退をモチーフとしたセットで、雰囲気は全体的に暗い感じだったね。今からでは考えられないくらいゆっくりとした環境で、カードパワーも軒並み低い。パワーが4以上のクリーチャーはほとんど存在せず、パワー0のクリーチャーがごろごろしていたよ。普通の赤い火力や黒定番のクリーチャー除去は存在していない。ないのはクリーチャー除去だけでなく、土地、アーティファクト、エンチャントも通常の除去カードがない。普通の打消しやドロースペルもない。さらに8枚入りの変則レアリティだった。今とは何から何まで違う、古いセットらしい構成だったね。

フォールン・エンパイアといえば黒!

フォールン・エンパイアを代表する色と言えば、何といっても黒だろう。たった2マナでランダムに2枚の手札を捨てさせる<Hymn to Tourach>という凶悪カードが存在していた。先攻で<暗黒の儀式>から打たれて、手札の土地2枚が落ちるとそのまま試合終了、ということが良くあったものだ。<ネクロポーテンス>を主軸としたネクロディスクをはじめとした様々な黒いデッキに投入され、ウィニーであっても土地2枚スタートが不安になる環境を作り出してしまう。最終的にはスタンダード、当時はタイプ2といったがね、そこで1枚制限カードとしてその地位を不動のものとしたんだ。折角絵柄が4種類もあるのに、1枚しかデッキに入れられなくなってしまった。

Hymn to Tourach全部同じカードだ

余談だが、当時のスタンダードにはまだ1枚制限カードというのがあって、<黒の万力><象牙の塔>といったパワフルなカードが1枚だけデッキ投入可能だった。<天秤>という1枚制限カード同士のコンボ、なんていうのもあった。カードパワーが軒並み低いフォールン・エンパイアにあって、この<Hymn to Tourach>がいかに頑張ったカードか分かってくれたかな。こんなカードがコモンとして収録されてしまうあたりが、古いセットらしいといえるね。

Order of the Ebon Handフォールン・エンパイアの黒いカードで、もう一つ忘れてはいけないのが<Order of the Ebon Hand>というウィニー・クリーチャーだ。プロテクション(白)、黒マナ1つで先制攻撃、黒マナ2つでパワー+1、という3つも能力があって2マナ、というのはかなりのやり手だ。後に<ストロームガルドの騎士>という同じ能力を持った後輩がアイスエイジで登場している。しかし、先輩はコモンでだが後輩はアンコモンだった。<黒騎士>とともに、やはりネクロディスクなどで活躍した。



ネクロをも葬った白

Order of Leitburこの<Order of the Ebon Hand>と対をなすように、白には<Order of Leitbur>というクリーチャーがいた。起動マナの色が白くなり、プロテクションが黒に変わっただけのカードだ。既に白にはウィニーデッキがアーキタイプとして確立していたので、こいつも黒いライバルと引けを取らないくらい活躍していたね。当時猛威を振るったネクロディスクを破り、世界大会で優勝したのはこの<Order of Leitbur>が入った白単色ウィニーデッキだった。こいつが入ったデッキは私も良く使ったよ。しかし当時の私は<ハルマゲドン>との相性の悪さに気付かず、両方フル投入していたものさ。

そうそう、白には思い出深いクリーチャーがいるなあ。決して強いカードではなかったが、当時私が好きだったカードとしてというクリーチャーがいた。ご覧の通り、ヒゲデッキには必須の一枚だ。

Hand of Justice

Hand of Justice
(5)(白)
クリーチャー — アバター
(T),あなたがコントロールするアンタップ状態の白のクリーチャーを3体タップする:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
2/6


初心者だった私のデュエルは長期化することが多くて、こうした恒久除去はこう着状態を打破するパワーをもったカードとして重宝したものだよ。<神の怒り><地震>といったマス・デストラクションは100枚もあるデッキに1枚しか入っていなかったからね。とにかくクリーチャーが良く並ぶんだ。今見ると能力が起動できるか怪しいものだし、そんなにクリーチャーが並んでいるなら殴った方が早い、とさえ思ってしまうね。最初は持っていなくて、友人にトレードを持ちかけても「強いからだめ」と言われトレードしてもらえなかったのを覚えているよ。自分で引き当てて、最初に使ったときは、そりゃもう嬉しかったさ。ちなみにこのカードはイマイチな性能だけあってアンコモン1というレアリティで、今でいうレアに相当するカードだった。


ゴブリンデッキを成立させた赤

ゴブリンの手投げ弾フォールン・エンパイアの赤といえば、後に再録もされた<ゴブリンの手投げ弾>が有名だ。生贄にゴブリンが必要だが、たった1マナで5点火力という性能は素晴らしい。ゴブリンデッキがトーナメントレベルになる原動力だった。ただし、フォールン・エンパイアにはオークやドワーフに枠を取られてゴブリンが少ない。それはともかく、<稲妻><火炎破>と一緒に使えたのだから、当時のゴブリンデッキはクリーチャーの性能ではなく、こうしたスペルの性能で成り立っていたといえるね。そしてこのカードも例に漏れずコモンだ。


オーグ他には<オーグ>というコストパフォーマンスの高いクリーチャーが活躍した。こいつはアンコモン1で活躍した数少ないカードだ。5マナで6/6という性能の割に軽微なデメリットだったので、ステロイドなどで採用されていたね。アイスエイジ<オークの木こり/Orcish Lumberjack><ほくちの壁/Tinder Wall>から高速でキャストされて困った経験があるよ。第5版に再録され、さらにタイムシフトカードとしても復活しているね。しかし未だにこのクリーチャー・タイプのオーグっていうのが何だか良く分からない。



High Tide時期がずれて活躍した青

フォールン・エンパイアの発売時期の青は正直パッとしなかったのだが、後になって<High Tide>というカードが主軸に据えられたデッキが誕生した。1ターンだけ島が追加の青マナを生み出す、という青らしくないマナ加速カードだった。キャストが成功すると土地をアンタップできるウルザズレガシーのカードを多く組み込み、どんどんマナを増やしていく、というコンボデッキで、その名もハイ・タイド。カード名がそのままデッキ名になるほどの出世をしたんだよ。が、これもコモンカードなんだ。


一応、その他

Aeolipileフォールン・エンパイアの緑について話すことは何もないので、アーティファクトについて話そう。アーティファクトで唯一活躍したのが<Aeolipile>という火力カードだ。キャストが2マナ、軌道に1マナで2点なので効率は決して良くないが、とりあえずどんな色でも採用できた火力である点と、当時はプロテクション(白)や(黒)が大量に出回っていたので、この無色のダメージ源が活躍できる土壌があったんだ。そして驚くべきことにこのカードはコモンでない。この能力でレア相当のアンコモン1だった。


フォールン・エンパイアの末路は、弱すぎた故に売れ残り、スタンダード落ちしてからも様々なショップで投げ売りされ続けていた不遇なセットとなった。ん、なぜ緑について話しをしなかったのかって?ああ、それはフォールン・エンパイアの緑がどうしようもなく弱いのと、それに私がキノコが好きではないからね。あそこには胞子カウンターを乗せるカードしかないから、見るのも嫌なのさ。

どうも、J也です。

ついこの間ニクスへの旅が発売されたと思ったら、こんどはコンスピラシーやらDuels of planeswalker 2015やらでマジック界が盛り上がってますね。

それが終わっても少ししたら基本セットの発売がありますし、しばらくは新しい情報に囲まれてなかなか情報の整理が難しそうです。

さてさて、それでは今回のデッキ紹介。赤がフィニッシュできるカード、緑が時間を稼ぐカードです。


世紀の実験ライブラリーアウト

土地 26

神秘の神殿 2

奔放の神殿 4

天啓の神殿 4

踏み荒らされた地 4

繁殖池 2

森 7

島 1

山 2

変わり谷 2 

クリーチャー 5

森の女人像 4

霊異種 1

スペル 29

世紀の実験 4

心理のらせん 2

都の進化 4

流浪 4

ミジウムの迫撃砲 4

濃霧 4

拠点防衛 4

原始の報奨 3



さて。今回のデッキの名前にも書いてある通り、世紀の実験によるライブラリーアウトを狙っていきます。 ex8mtsafo2_jp

基本的な動きとしては森の女人像や流浪、都の進化でどんどんマナブーストし、大量のマナで世紀の実験。そうして落ちたカードを心理のらせんで回収しながらライブラリーを削るというめちゃくちゃなデッキです。

それではそれぞれのカード解説を。

まず土地配分。これに関しては正解が何なのかなんとも言えないですが、とりあえず都の進化や流浪の後に濃霧を構えられるように、アンタップインできる土地は緑が絡むもの多め。また、最もシンボル要求の強いミジウムの迫撃砲超過を狙うために半分以上が赤マナが出るようにしました。ショックランドよりも占術ランド多めなのは、世紀の実験X=1で撃つことで隙を少なく動けるからですね。変わり谷は原始の報奨からの世紀の実験で大量にカウンターを乗せる遊びができるように一応入れときました。vhlr9buvxs_JP

次に女人像。倒れにくいマナクリでありながら原始の報奨のカウンターを乗せるという役割もあります。それと霊異種は保険です。例えば安らかなる眠りを貼られた瞬間このデッキのライブラリーアウトプランは崩壊するので、墓地に頼らない別軸のフィニッシャーとして一枚入れてます。

そして世紀の実験。別にXが小さくても何かめくれればそれで充分という気持ちで、とりあえず撃ってみる精神が重要です。どうせこのデッキ構えるものフォグしかないので、とにかく序盤からけちけちせずにメインから動きましょう。

流浪と都の進化は両方4枚です。多いと思ったら流浪から減らしてみるのもあり。coxm4570do_jp

心理のらせんは2枚。世紀の実験でめくれたらうれしいな、くらいの枚数です。

濃霧と拠点防衛はある意味このデッキの生命線。これで粘って原始の報奨まで繋げば簡単な都の進化や流浪で大量ライフゲインできます。

原始の報奨はとにかくライフが欲しいあなたに。この枠は別にナイレアの弓なんかでもいいのですが、個人的に原始の報奨のほうが攻めに使いやすいので好みです。

JCVfh48Q1p_JP

ついでなので、他にこのデッキと相性のいいカードも紹介しておきます。

まずは赤のレガシー級2マナ生物、若き紅蓮術師。世紀の実験でめくれた枚数の分だけトークンが出てきます。コントロールにもビートにも強く、かなり強力なカードの一つなのですが、残念ながら他に除去の的になるものが無さすぎておそらく仕事する前にやられてしまうのでは、という感じです。普通に強いのでサイド後にそっと4枚入れておけば、除去を抜いた相手に対して暴れまわることもできるのでは4yt5zEp7Gp_JPないでしょうか。

続いてどぶ潜み。こいつも除去が怖くてメインには入れていないですが、サイド後は存分に火力を飛ばしてくれるのではないでしょうか。

他には、例えばバウンス。丸いのはサイクロンの裂け目ですが、圧倒的な波なんかも自軍にほとんど関係ないので使えますね。また、その辺のバウンスが使えるようになれば豊富なマナをつかって豚の呪いなんかも使えます。

あとは予言や発掘された道しるべnukwzhq1qa_JPなど、とりあえずいつ撃っても嬉しいカードを増やすのも有りです。

また、霧裂きハイドラなんかも面白いです。豊富に伸ばしたマナでいきなり速攻のファッティが襲ってくるのは流石に恐怖でしょう。


とまあ、こんな感じでしょうか。カジュアル感は半端無いですが、少なくとも一人回しでは楽しい、そんな感じのデッキです。

それでは以上、J也でした。

ああ、そうだね。このトリ助・リオンでさえ、かつて同じ疑問を抱いたことがあるよ。なぜ<稲妻>を再録しておいて<ショック>に戻すような真似をするんだ、ってね。<稲妻>は過去の過ちである、と認めたうえで<ショック>を作ったのだとばかり思っていたからね。よし、じゃあ今日は基準となるカードについての話だな。

派生カードの基準

基準となるカード、という言葉には2つの意味がある。あるカテゴリーのカードには、元となるカードがあってそこから派生するカードがある。例えば<取り消し>は3マナで、多くの打ち消し系カードの基準カードだ。これにおまけの効果をつけたカードは4マナ以上になる。そうそう、<取り消し>にライブラリ破壊の付いた<撤回命令>はこの例だ。打消し系は基本的なスペルなので、こうした派生カードは多いね。

解消

ただし、おまけ効果が軽微であると見なされれば、マナコストが上がらない場合もあるんだ。こうしたカードには強いものが多い。<解消><取り消し>に占術1が付いているが、コストは同じだ。占術1は軽微なおまけ効果と言えない強さがあり、これでは<取り消し>は立場がないとも言える。



まさに完全上位互換

翻弄する魔道士

しかし<取り消し>が基準として存在しているからこそ<解消>の強さが光るというものだ。また、実戦では5枚以上の3マナ確定カウンターをデッキに投入したければ<取り消し>の存在意義も出てくる。カード名を指定しプレイを禁止する<翻弄する魔道士>や、同じ名前のカードを全て除外する<ロボトミー>のような効果に対しては、カード名が違うことに意味があるね。


クリス・ピキュラのインビテーショナル・カード

逆に元のカードより不便になれば、マナコストは安くなることになるね。<無効化>はクリーチャー呪文とエンチャントしか打ち消せないが、代わりに1マナコストが安くなっている。用途の幅が狭くなった代わりにコストが抑えられているわけだ。

デッキや環境によっては、こうした"不便さ"が問題にならなくなることがある。もし環境がクリーチャーデッキであふれ返っているなら、<無効化>は十分なパフォーマンスを発揮するだろうね。逆に、パーミッション系や瞬殺コンボデッキが流行っているなら手札に腐る機会が多くなるだろう。

環境への基準

ここまで<取り消し>を基準に、その周辺カードについて見てきたね。ここからは2つ目の意味での"基準"について話そう。もう一つの意味の基準は、もっとゲームの根幹にある"基準"なんだよ。<取り消し>を1UUというコストにすることで、今の環境が成り立っていると言っていい。無関係な他のカードのデザインにまで影響を与えている。バランスの中心にあるカードの一つだ。同じような役割を持つカードとしては、<ショック><破滅の刃>あたりが挙げられる。

ショック

では今度は<ショック>を例にとろう。このカードを有用なカードであると位置づけたい場合、1マナでタフネス3以上のクリーチャーをデザインする場合、特に注意が必要になるということが理解できるだろう。こんなクリーチャーが大量にいたり、または強すぎる能力を持っていてどんなデッキにも入るようなことがあれば、<ショック>は有用なカードではなくなる。逆説的に、そういったクリーチャーはデザインされない、ということだ。

最初は仕方なく使ったものだ

<ショック>がクリーチャー・デザインの基準になっているということが分かったかな。しかし、この例はあくまでも<ショック>が環境の基準として存在している場合の話なんだ。もう知っているように、この基準は変わる場合がある。かつては<稲妻>が環境の基準だった。<ショック>環境では優秀なタフネス3のクリーチャーも、<稲妻>環境では十分な性能とは言えなくなる場合があるだろう。

環境を刺激する

稲妻

単純に<稲妻>が強くて<ショック>が弱い、という話ではない、ということだ。このようなカードの"入れ替え"は、環境を変えるという目的で実施されているんだ。<稲妻>が基準であっても、その基準に合ったカードプールを提供すれば環境は成り立つ。トーナメントで全員が<稲妻>を4枚投入した同じようなデッキにならない限り、環境への"刺激"は成功したとみなされるだろう。


当時、まさかの再録に驚いたものだ

別の観点では、<旅する哲人>も基準カードといえるかな。2マナ2/2バニラというパフォーマンスは限定環境で見れば可もなく不可もない、といった位置づけだ。これにメリットが付いていれば強いカードで、デメリットが付いているなら弱いカードといえるだろう。色やレアリティも勘案しなくてはならないが、基準という意味では分かりやすい。こうした基準のクリーチャーを除去できる<ショック>もまた、基準たり得るというわけだね。

対抗呪文

<ショック><稲妻>の主な用途はクリーチャー除去で、クリーチャー・デザインの際にタフネスと能力を考慮すればバランスを取り得るが、<取り消し>のような打ち消し呪文はそうはいかない。あらゆるカードを対象にとり得るため、影響の度合いが比べ物にならないほど大きくなる<対抗呪文>から<取り消し>に環境を変えるというのは、ゲームの再デザインといえるような作業だっただろう。


その重要性からアイスエイジからはコモンに


パーミッションのこれから

石の雨個人的な好みの話になるが、パーミッションやコントロール系スペルの話をしよう。打ち消しの基準を3マナにするとどうなるか、様々な事例が考えられるがひとつ例を挙げてみる。単発で致命的な効果を持つカードのマナコストの基準は4マナ以上にすべき、だろうね。強力な効果を持った呪文のコストを3マナ以下にすると、先攻がそれをキャストした際に後攻は土地を2枚しか置いていない、ということになる。これだと<取り消し>では対処できない。この理由から<取り消し>が基準である限り<石の雨>が基本セットに再録される可能性は低いと思っているよ。

<否認>が強い環境になればあるいは


取り消しブラフで残すマナは2マナから3マナに変わり、青いデッキの動きはますます緩慢になった。<取り消し>以外の打消し系カードも、昔と比べ全体的に質が下がっている。私の好きだったカウンター・ポストやヨーロピアン・ブルーのような極端に遅いパーミッション・デッキが隆盛する日はもう来ないかもしれないね。現在、"デッキの基準"はクリーチャーを中心としたデッキだ。タイム・リソース・アドバンテージの公平性を大きく損なう低速パーミッション・デッキの隆盛は、マジックのビジネス的観点から望めないと思っているよ。


パーミッションは時間を使いすぎ!


今の基本セットには、4マナの<神の怒り>系カードが存在していない。あるのは6マナの<次元の浄化>だ。おそらく事前に<至高の評決>がデザインされていたのだろう。4マナ域に全体クリーチャー除去が8枚もデッキ投入されてはまずい、と判断したんじゃないかな。次の基本セットには何かしらの全体除去が収録されるか、そうでなければその次のセットあたりで派生カードが入ると思うね。白い全体除去の存在自体、環境の基準だからだ。今のところはね。


マジックの面白い点は、こうした基準が変わることにある。最初は戸惑うが、デュエリストたちは徐々に慣れていき、やがて新しい環境を楽しめるようになる。変化を楽しむ、という姿勢は、まさに人間らしい知的なゲームだといえるだろう。ほれ、<永遠の炎のタイタン>をキャストだ。さっき君は<旅する哲人>は弱いと言っていたね。うちの人間は知的なんだ。すぐに火の扱いを覚えるよ・・・。

どうも、最近新しいデッキの発想が浮かばなくてスランプ気味なJ也です。

色々考えてはいるのですが、強そうだなーと思うデッキはあっても、それが楽しそうなデッキかと聞かれればなんとも言えない、そんな感じです。

とは言うものの、僕の言う「楽しい」は大抵の場合変態カードを使うってことに近いので、別に普通のデッキを紹介すればいいんですけどね。

ということで、今回はまともに紹介します。

英雄の導師、アジャニBdUSCjHJlz_JP

そこそこ高めの初期忠誠度4に、クリーチャーで盤面を固める2つの+1能力、そして皆大好きゲイン1 00ライフ。タイトルの100点のカードってのも当然、点数が100点満点とかいう意味ではなく、100点回復できるカードって意味です。

最後の能力だけ軸がずれっずれですが、上二つの能力はどちらも使いやすいです。特にM14のアジャニと違い、クリーチャーがいなくても仕事があるのは偉いです。緑白の得意な、クリーチャーによるサイズの暴力を二方面から構築しにかかることができます

また、一番上の能力は谷に対して起動するだけで終わるゲームも有りますし、二番目の能力はプレインズウォーカーも持ってこれるので、ビートだけでなくプレインズウォーカーコントロールなんかでも採用できそうな良カードです。

一応オーラを持ってこれることを考えて呪禁オーラに突っ込むbEcH8lQxu5_JPなんてのも考えられますが、そこはライダーキックこと狩人の勇気との選択でしょうね。置けば堅実なアドバンテージのアジャニか、決まれば大量ドローの狩人の勇気か。はたまたどっちも採用なんてのも有りかもしれません。

とまあこのように、緑白のデッキの幅を大きく広げたカードだとは思うのですが、今回は次のようなデッキで使ってみたいと思います。

緑白ミッドレンジ

土地 25

豊潤の神殿 4

寺院の庭 4

変わり谷 3

セレズニアのギルド門 2

森 10

平地 2

クリーチャー 22

森の女人像 4

クルフィックスの狩猟者 4

世界を食らうもの、ポルクラノス 4

漁る軟泥 3

羊毛鬣のライオン 4

加護のサテュロス 2

狩猟の神、ナイレア 1

スペル 13

セレズニアの魔除け 4

払拭の光 4

英雄の導師、アジャニ 3

太陽の勇者、エルズペス 2


それではちょっと解説を。

このデッキの方針としては、2マナの優良カードで盤面を作りつつ土地を伸ばし、ポルクラノス、アジャニ、ぺスで最後攻め立てて終わり、という感じです。

アジャニもそうなのですが、それよりも払拭の光の収録のおIFNqbcqrHT_JPかげで組めるようになったデッキタイプ ではないかと思います。

カード個別の説明としては、まず女人像とクルフィックスは中盤以降強力なカードに確実にアクセスできるようにするためのカードで、方針にぴったりなので文句なしの採用。

それらのマナサポートによるマナフラッドにも対応できる2マナ圏として、漁る軟泥とライオンをチョイス。ライオンの枠は復活の声とかロクソドンの強打者とかでも良かったのですが、怪物化したライオンにアGe4LjlHYvd9_JP_LRジャニでカウンター乗せまくる動きが割りと現実的かつ強そうなのでライオンを採用しました。一枚のカードパワーは若干弱いので、ここは好みに近いと思います。加護のサテュロスも同様ですね。マナフラに対応できるクリーチャーで、普通に3マナ域として出してもそこそこだけどパワーはそこまで高くないという。

セレズニアの魔除けは何にしろ使い道はあるので4枚、同じく払拭の光もそう簡単に腐らないので4枚です。これらのおかげで、冒涜の悪魔一体に詰む、ということが限りなく少なくなったのではないでしょうか。

B6XkHKO471M_JP_LRしてフィニッシュ枠としてポルクラノスとぺス。お互いちょっとした除去としても働ける のがえらいです。相手によってはサイドからぺス追加してもいいかもしれません。

肝心のアジャニは3枚。今回のデッキでは除去以外は全部がサーチ対象なので、サーチ能力の失敗は少なそうです。カウンターを乗せる効果も谷やライオンなんかの対処しにくいクリーチャーを選べば強いので、中盤以降は腐ることの少ないカードだとは思います。けど、やっぱり重くて出してる余裕無いこともありうるので4枚は厳しいかな。そこがドムリとの違いですね。

そしてサイr9lol0KbGt_JPドの話にはるのですが、個人的にはセテッサ式戦術なんてのも面白そ うだと思います。クリーチャーをタップさせる必要があるのでただ強ではないのですが、一枚で何体か除去できる可能性をもったナイスかーどです。あと、クリーチャーによってはプロテクション白を倒すことができるのもポイント。

あと、これはそれなりにどうでも良い話なのですが、このデッキは土地と軟泥、魔除け以外全部テーロスブロックのカードというのもちょっとしたポイントです。今作っておけば、ローテーション落ちした後も普通に使えると思います。ローテーション落ちするカードも魔除け以外全部モダンで使われるものなので値段も簡単には下がらないし、今が作り時なデッキだと感じてます。


てな感じでいかがでしょうか。

特にこれといって独特なポイントのあるデッキではないですが、そこそこに戦える普通のデッキだと思います。

癖の強さも余り感じないので、作り得な感じのある緑白ミッドレンジ。是非試してみてください。


以上、J也でした。

ああ、新セットが登場するとその手の質問は良く受けるよ。実は強いカードはどれか、後で値上りしそうなカードはどれか、ってな具合だ。それを探し出すののマジックの醍醐味だと思うがね。まあ、気持ちは分からんでもない。強いカードを探し出す一番シンプルな手法は、カードとのにらめっこだがそんな分かりきった話を聞きに来たわけではないね。このトリ助・リオンに話を聞きに来たということは、ちょっと変わった切り口を期待してきたのだろう。分かっているさ。よし、今日の話題は決まったな。

一目瞭然に強いカードもあるが、一見強そうに見えないカードが意外な実績を残すという場合もある。優れたデュエリストというのは、こうしたカードをいち早く見抜く鋭い眼を持っているものだ。<ボガーダンの鎚>の強さを見抜けなかった私は大きなことは言えないが、私もその後色々学習した。さて、こうした隠されたパワーカードを見つける手掛かりについて考えてみようか。

隠れた強いカードを考える際に、思い切ってカードから離れてみる。カード単体でなく、セット全体で捉えてみよう。どんなカードがセットに含まれているのか、という観点だ。マジックのカードデザインチームは、ルールやトーナメント環境について十分に精通している。どんなカードを作るとどんなデッキが世に現れ、ゲーム環境にどんな影響が出るのかは事前にほぼ理解していると考えよう。

ほぼ理解していると言ったのは、たまにミスをすることがあるからだ。禁止カードの指定ってヤツだ。あまりにも強いカードを作ってしまうと、大会参加者が全員同じデッキなんて馬鹿げた状況を作り出してしまう。デッキ構築やプレイングの面白味を奪ってしまい、結果的にマジックの衰退につながる。だから、これは避けたい。禁止カードの指定はカードデザインチームはの大失態と考えてくれ。

精神力みんな同じデッキだった! トレイリアのアカデミー

つまり、禁止カードになりそうな強すぎるカードが作られる可能性は低い。しかし、弱いカードばかりではブースターパックが売れなくなってしまう。ホームランドプロフェシーのような、花形レアの存在しないセットを作ることは商売的には大失敗だ。新セットは商品として魅力的である前提があるね。それには強いカードが必要だが、全部を強いカードにするのは不可能だ。環境に変化を与えるだけのインパクトはありつつ、禁止カードを出さないようにするのがデザインチームの使命だ。これを踏まえて、強いカードについての考察を進めよう。まずは強いカードから考えてみようか。


単純に強いカード
まず、普通に強いカードについて考えよう。二つのタイプがある。まずはあからさまにコストが安いクリーチャーだ。<世界を喰らう者、ポルクラノス><冒涜の悪魔>が好例だろう。もう一つのタイプは<至高の評決><英雄の破滅>なんてカードが分かりやすいかな。いわゆる焼き直しってやつだ。すでに評価が確立している強いカードを一部改変したものだ。デザインする側にとってはリスクが小さい。クリーチャーであれば多少強くても対処の手段はあるし、強すぎるカードが調整されず焼き直しされることはない。こうしたカードはセット発売当初から高値が付きやすいね。


環境を落ち着かせるカード
カードデザインチームが、自分たちの失敗を誤魔化すために作られたカードもある。禁止するほどではないが、目に余る強さのカードを狙い撃ちして弱体化させるような効果を持たせるんだ。プレイヤーとしては少々困った話だが、禁止カードが増えるよりはマシだし、環境のバランスが落ち着くならそれは有意義だからね。かつて猛威を振るった<リシャーダの港>のために、<テフェリーの反応><サーボの網>という露骨な対策カードが作られたことがあったね。

リシャーダの港テフェリーの反応サーボの網


下の環境で活躍するカード
スタンダード環境に影響を与えないが、モダンやレガシーといった環境に対して影響力を持つカードもあるね。古いカードと大きなシナジーを形成するものだ。こうしたカードはすぐに高値を付けることは少ないし、毎回必ずレアに存在するわけでもない。変に隠れてないで、スタンダードで優秀なカードがそのまま下の環境で通用することもある。コースト社の商売としてはスタンダードが重要だが、しかし古いカードとのシナジーもある程度意識されて作られている。ここで注意したいのは、現在は全ての環境で弱いカードであっても、将来印刷されるカードによっては強いカードになる可能性はあるということだ。

ライオンの瞳のダイアモンドスタンダード落ちしてから価値の上がったカードの例


コンボパーツカード
ここには爆発的に値上がりするカードが含まれる場合がある。デッキの完成度次第だが、安定したコンボが開発されると4枚必須になりやすく、よってデッキが流行すれば大量の需要が発生するからね。ドロー、マナ生成、トークン生成に関連したカードに多い。その他にはコストの踏み倒しが可能なカード、サーチ系のカードもここに含まれる場合がある。しかし、コンボ用のカードは必ずセットに含まれるとは限らないだろう。何しろ、禁止カードに近づく危険性があるからね。

記憶の壺スタンダードで使えたのはわずか1ヶ月


ファンデッキ用カード
ここからは弱いカードについての考察だ。マジックのプレイヤーは、大会で結果を残したいと考えているプレイヤーはばかりではない。だから当然、トーナメントプレイを前提としないカードもある。例えばミノタウロスの一味がそうだ。面白い効果を持つカードが多く、珍妙なコンボで君をびっくりさせてくれることもあるだろう。不安定な効果のカードもこの枠だ。


限定構築で輝くカード
シールドやドラフトといった、限定構築での活躍を期待されたカードというのもあるね。通常の構築デッキでは十分な活躍ができなくても、限定構築では出たら終わりと言える程のパワーを持つカードは多い。強いカードではあるが、構築で使うにはコストが重すぎたり、他に良い選択肢となるようなカードが存在している場合だね。<炉焚きのドラゴン><死の国のケルベロス>あたりはこういった分類に当てはまるだろう。

死の国のケルベロス単にアタッカーとして強烈!


やたらと重いカード
限定構築でさえキャストできないほど大きなコストを持つクリーチャーは、注意が必要だ。単に重すぎて弱いカードであるとは限らない。能力によってはリアニメイト系やトロン系のデッキなど、コンボデッキでの活躍の可能性がある。ファンデッキ用のカードと見分けがつきにくいが、コスト以上のパワーを秘めていること少なくないんだ。場合によってはクリーチャー以外でも重いマナコストで有用なものもある。環境にマナ加速手段やマナコストを踏み倒す手段がないか注意が必要だ。スタンダード以外の環境での活躍のほうが多いのだが、注意に越したことはない。


ストーリー演出カード
新しいセットのストーリーや、新しいキーワード能力をより印象付ける意味合いで存在しているカードもある。こうしたカードがマジックの雰囲気を演出するのに一役買っている。伝説のクリーチャーだったり、プレインズウォーカーにこうしたカードが多い。自然と強さよりもそのキャラクターの性格を表すような能力設定が優先されることになる。ファンデッキ用カードや限定構築向きのカードと重複する場合も多いね。

収穫の神、ケイラメトラのどかなイラスト、のどかな能力


分類外なカード
さて、この辺りの事情が分かってくると、こうした枠に含まれないようなカードが浮かび上がってくることがある。場違い感とでも言おうか。「なんだろう、これ」と思うようなちょっと変なカードだ。ぱっと見派手な能力ではなく、コストも控えめで、以前に似たような効果のカードも思い当たらない。そんなカードを見かけたらちょっと落ち着いて考えてみるといい。意外な使い方が思いついたり、よく考えてみるとアドバンテージを秘めている可能性がある。


ここで述べたのはかなり大まかな分類だ。いつも必ずこの方法で隠れた強いカードが見つかるわけではないが、見つけ出す糸口になるかも知れないね。この分類に重複して属するようなカードもあるし、セットのローテーションで日の目を見るカードもある。この辺が難しいところだ。単なるカスレアなのか、あるいは可能性を秘めたカードなのか、君の知識とセンスの見せ所だよ。

からみつく鉄線ロックしながらビートダウンができた

ネメシスというセットに存在した<絡みつく鉄線>は、発売当初トップレアという評価はなかった。私は今でもその妙な感覚を覚えているよ。消散というキーワード能力の演出用カードにしては、ちょっと不自然な能力だと感じた。それで念のため使ってみよう、って思ったんだ。ネメシスは<ボガーダンの鎚>から3年以上後の発売だが、自分のカード選定眼の成長を感じさせてくれたカードだった。ああ、値段が上がる前にたくさんトレードしたものさ。そうだね、値上りする前に20枚近くは手に入れたよ。後日、トレードの種として大活躍してくれたとも。

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